グラベルロードおすすめ7選!あなたは王道派、それとも個性派?

山道や砂利道も走り抜けるグラベルの魅力

近年、グラベルロードバイクが盛り上がっています。

私の周りでも、ロードバイクに興味のなかった友人からさえも、グラベルロードが気になっているという声をちらほら聞いたりします。

ガチスポーツ感の強いロードバイクとは異なり、グラベルは「アドベンチャー」感が強く、男のロマン的な雰囲気もあり、懐が深いのが受けているのかもしれません。

そこでロードバイクとグラベルの2台を持ち、グラベルで富士山一周ライドもやってきた私が、

ロードバイクとグラベルの違いや魅力」

グラベル選びのポイント

おすすめグラベル7選」(王道派と個性派)

について紹介するので、初心者でもロードバイク乗りでも、自分好みのグラベルを選べる知識やモノサシを得られるようになっています。

それではグラベルの基礎知識からどうぞ。

ロードバイクの多様化からグラベルロードへ

舗装路を飛び出し、山道へ分け入るためのロードバイクがグラベル

そもそもロードバイクもどんどん多様化が進み、用途別にバイクを選ベます。

例えば、ロングライド(エンデュランス)、エアロロード(空力)、ヒルクライム(軽量)、レースモデル(万能)などの大まかなコンセプトをそれぞれのバイクが持っています。各メーカーもそれぞれの得意分野にあわせて、用途別最新モデルを毎年3種類くらい投入してきます。

しかし、ロードバイクのコンセプトは、突き詰めるとガチスポーツの自転車になります。

グラベルロードは、趣味が広がる「掛け算」の魅力

あてもなくたどり着く先に何かあるかも

一方、グラベルロードはそんなロードバイクのガチスポーツな世界観から、ちょっと趣向をずらして、山道や川沿いの砂利道などどんな道も走破できるアドベンチャーバイクという新しいポジションを確立しています。

「グラベル」バイク、グラベルロード、オールロードバイクなどと呼び名がありますが、基本的にはロードバイクの走行性能を生かしながら、舗装路以外のあらゆる道を快適に速く遠くまで走れるように進化した自転車です。

一言で言えば、旅に出かけたくなるバイク

グラベルロードでは、まず大自然のある場所を目指します。

そこでキャンプをしたり、風景をカメラに収めたり、温泉に入ったり、行き先で自転車にプラスして遊ぶ。

山道を分け入り、頂上まで悪戦苦闘して登り、バイクに積んだバーナーでコーヒーを飲む。

そんな一連の流れを作って楽しむことが、グラベルロードの懐の深さで、人によって様々な使い方ができる大きな魅力があります。

※グラベルに似たシクロクロスは、これは山道などの悪路でのレースが前提のガチスポーツです。荷物の積載力やフレーム設計の思想がグラベルと大きく異なります。

ロードバイクでは雪道は走れません。

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グラベルロードバイクの魅力とは?

グラベル = 砂利(ジャリ)

グラベルとは、「砂利」という意味の英単語です。

その名の通り、砂利道や山道などの悪路でも走れるバイクとして開発されたのが「グラベルロード」なのです。

ここで素朴な疑問として、

砂利道や山道を走るだけならMTB(マウンテンバイク)があるじゃん。グラベルロードじゃなくて、MTBの方が種類もたくさんあるし、歴史も長いからいいんじゃないの?

が思い浮かぶでしょう。私もそうでした。

どうせ買うならロードバイクとMTBの2台を購入して使い分けた方が、それぞれ最高のものを選べて良さそうに思えたのです。

しかし、グラベルの情報が少しずつ雑誌やネットなどに増えてくるうちにロードバイクとも、MTBとも違う、グラベル自体の魅力を知ることになりました。

ちょうど2019年9月20日に発売された「CYCLE SPORTS (サイクルスポーツ) 2019年11月号」の特集がグラベルバイクなので、検討している方には参考になると思います。

グラベルの基礎知識や選び方、事前準備など参考になる記事が色々。

グラベル以外の特集も、グラベル購入後に使えそうな「サイクリストの賢い運搬術」など自転車キャンプの世界が繋がります。

「今履くなら歩けるロードシューズ」も相性のいい特集で、1冊楽しめます。

グラベルの魅力その1 どんな悪路でも、長い距離走り続けられる「高い走破力」

砂利道でも山道でも、どこまでも走れるロードバイクがグラベル

ロードバイクは、細いタイヤで舗装路のみを走る前提で作れたバイク。

シンプルに言えば、太いタイヤが使えるフレームにしたモノが「グラベル」ロードバイクです。

だから、ロードバイクのように様々なポジションで砂利道や山道を走ることができます。

MTBとの大きな違いはココ。「様々なポジション」で乗れる点で、MTBは上体を起こしたアップライトなポジションでしか乗れません。

しかし、グラベルロードバイクは、

  • ハンドル上部を持つ「上体を起こしたポジション」
  • プラケットを持つ「やや前傾ポジション」
  • ハンドル下部を持つ「深い前傾ポジション」

この3つのポジションを切り替えながら走ることができます。

このメリットは非常に大きく「長時間、速く」走ることができることで、ロードバイクに乗っている人はピンと来ると思いますが、乗ったことのない人は想像できないかもしれません。しかし、このポジションの効果もあり、ロードバイクは、1日に200kmもの長距離走ることも容易にしています。私もグラベルで富士山の麓から西伊豆まで、坂道を含んで200km近く走れました。しかもキャンプ道具をフルに積んで。

この「様々なポジションで乗れる」を言い換えると、「ずっと同じポジション(姿勢)じゃなくてよい」ということです。

自転車に限らず、会社員で椅子に座ってPCにずっと向かい続けていたり、タクシーの運転手のようにずっと座っていたりすると、筋肉が凝り固まってしまい、負担が大きくなります。

自転車もずっと同じ姿勢で乗り続けていると、腰や肩などの同じ箇所への負担が大きく走り続けるのが困難になります。

ポジションを変えながら乗ることで、違う筋肉を「使ったり」、「休ませたり」、管理しながら長く走り続けることができるのです。

グラベルの魅力その2 圧倒的な搭載性能「キャンプ用品を積んで山へ」

グラベルとロードバイクとのもう一つの大きな違いは、「実用性」

ロードバイクはレースであり、ヒルクライムであり、スプリントであるため、実用のための無駄は一切無くし、最先端の設計と技術で、最軽量のバイクを作ります。

速く走ることを突き詰めるのが、ロードバイクです。

一方、グラベルは、アドベンチャーを楽しむために設計されたバイクで、走行性能も大事ですが、アドベンチャーに必要なモノを運ぶ「搭載性能」もしっかり設計されています。もちろんメーカーによってその搭載性能には差がありますが、無駄を省くのではなく、どんな状況や用途でも荷物を運べるように拡張性があります。

ボトルが3本つけれたり、フロントフォークやフレームの後ろに専用のバッグをつけられたり、ダボ穴が多めだったり、荷物をたくさん積むことも可能にしています。

グラベルで見つけた危険なキャンプ場

荷物をたくさん運び、かつ、山道や砂利道などの悪路も走れるので、道さえ繋がっていればどこへでも自分を連れて走ってくれるのがグラベル。

自分だけしかいない大自然の中で「キャンプ」できるかもしれないくらい世界を広げてくれるのがグラベルロードバイクなのです。

グラベルの魅力その3 自転車通勤・通学など「普段使い」にも最適

毎日の自転車通勤のハードな使用にも最適。

グラベルは、ロードバイクの「エンデュランスロード」と呼ばれたりするロングライドモデルとフレーム設計が似ています。

ホイールベースが広く、アップライトなハンドルで、より上体を起こしてリラックスできるポジションで乗れるので、初心者でも非常に乗りやすいデザインです。

また、太いタイヤで乗り心地も良く、悪路や路面ギャップ、段差などにも強くなります。

さらに、ブレーキもMTBと同じくディスクブレーキを採用し、雨などの悪天候でも確かな制動力を担保してくれます。

これらの性能は、全て自転車通勤のライダーに大きな恩恵を与えてくれます。安全面だったり、リラックスして乗れたり、それでいて普通の自転車より速いので、朝の貴重な時間をもう少し生み出してくれます。

週末のアドベンチャーだけなく、「普段使い」にも使えるグラベルは、とても多面的な魅力を感じさせてくれます。

もし、自転車通勤用にクロスバイクを買おうと思っている人がいたら、ぜひ、安めのグラベルロードバイクも一度検討してみてはいかがでしょうか。

グラベルロード選びのポイント

グラベルの魅力を知り、よし買おうと思った人には、ぜひ良いグラベルロードを選んでいただきたいと思います。

そこで次に「グラベル」ロードを選ぶときに注意して欲しいポイントをいくつかご紹介していきます。

太いタイヤ(30〜40C)がハマる?

太いタイヤなら、悪路の走破力と乗り心地が得られる

まず、砂利道や山道などの悪路を走る前提にしたグラベルでは、ちゃんと太いタイヤがしっかり使えることは確認しておきましょう。グラベルを謳っているなら間違い無いですが、流行りに乗って作られたなんちゃってを掴まないように念のため確認して下しあ。

また、山に行くまでの舗装路を時速30kmくらいで走りたいなら、30〜35Cくらいのやや細めのタイヤを使えることを確認した方が良いでしょう。

ディスクブレーキ搭載?(油圧式がおすすめ)

グラベルなら基本ブレーキはディスクブレーキになっていて、どんな状況や天候でも制動力を維持できるようになっています。

油圧式とワイヤー式などありますが、予算が許すなら油圧式がおすすめです。軽く握るだけで高い制動力を発揮してくれるのでブレーキ疲れがありません。

荷物の搭載性能は高いか?(ダボ穴の拡張性など)

ダボ穴を使ってリアキャリアを装着したら搭載力は格段に上がります。テントも余裕。

グラベルロードを買ったら、街乗りだけではなく、休みの日には週末キャンプに山へ行こう!なんてこともできます。

そんなときに簡易テントやバーナーなどの自前のキャンプセットを積んでいけるのもグラベルロードの魅力ですよね。重量が増えるのは仕方ないのですが、ライドの邪魔にならないように車体に積めるようにうまくサイクルバッグを搭載できる拡張性があることが重要です。

「グラベルロードで山まで走りに行って、頂上でお湯を沸かしてコーヒーを飲む」そんなロマン的なシチュエーションを楽しめる搭載性能の高いバイクを選ぶのがやはり王道でしょう。

おすすめグラベルロードバイク7選

グラベルの魅力と選び方について説明してきましたが、最後にグラベルロードの中からオススメのモデルを7つを厳選して紹介します。

グラベルの王道と言えそうなバイク4台と、グラベルの中でも個性派なバイク3台、皆さんの好みに合うのはどれでしょうか?

王道グラベルロード4選

TREK(トレック)・CHECKPOINT SL5

2年前にトレックのお店でスタッフの人との雑談で「グラベルに興味があるんですよ。」と話したら、「うちには無い無い」と冷たくされた苦い思い出がありますが、トレックからちゃんとしたグラベルロード・チェックポイントがついに2019年モデルとして登場しました。

個人的にこれがいよいよグラベルの潮流が本格化するのではと感じさせてくれたバイクです。プロモーションビデオを見るとそのアドベンチャー感にワクワクします。

ロードバイクの性能は折り紙つきのトレックが、ロードバイクの走行性能に、砂利道に突入できる走破力を兼ね備えたグラベルロードチェックポイントを開発しました。

グラベルの王道として、必要十分な性能について簡単に解説します。

抜群の安定性

広いタイヤクリアランスに油圧ディスクブレーキ

最大45Cの太いタイヤも装着可能なタイヤクリアランスがあり、ロードバイクほど前傾姿勢にならないジオメトリで、長距離でもを快適に、悪路でも安定した走行が可能です。

ブレーキももちろん油圧ディスクブレーキを採用した安定した制動力を持ちます。。山の急な天候変化の雨でも、帰り道の長距離ダウンヒルでも安心です。

ISO SPEEDの振動吸収性能

フレームからシートポスト独立させて振動吸収性能を高めるISOSPEED

業界トップクラスのカーボンで作られたフレーム性能に加えて、エンデュランスロードバイクのドマーネで培われた「ISO SPEED」という独自の振動吸収機構もあり、山道・砂利道、石畳などの悪路でもフレームが振動による負担を減らし疲労を軽減してくれます。

圧倒的な搭載力

あらゆる場所にバッグやボトルが装着可能

トップチューブ・シートチューブ、ダウンチューブ、フォークなどあらゆる場所にマウントが施されており、3本以上のボトル搭載やライドの目的に合わせて必要なバッグを十分に搭載する事ができます。

トレック・チェックポイントのスペック&価格

  • フレーム:カーボン
  • フォーク:カーボン
  • メインコンポ:シマノ・105
  • ホイール:ボントレガー・チューブレスレディ
  • タイヤ:シュワルベ・G-ワンオールラウンド 700×35C
  • サイズ:49、52、54、56
  • 完成車実測重量:9.58kg(54サイズ、ペダルなし)
  • 完成車価格:29万7000円(税抜)

(関連記事)

トレックの最新グラベル「チェックポイント」2019年モデル登場!2台目のバイクでキャンプに行こう!?

スペシャライズド・Diverge

S-WORKSグレードは100万円超で組めるけど高い!

ロードレース界の雄スペシャライズドからも本格派なグラベルロードDivergeを紹介します。

ロードバイクに乗っている人ならスペシャライズドのブランドなら安心感しかないですが、やはり設計力、開発力に優れたメーカーが本気で作ったグラベルは隙がありません。そしてまた、かっこいいです。

荒れた路面の衝撃をスプリングで吸収”Future Shock”

前ハンドルに仕込まれたスプリングが衝撃を吸収

路面の振動をスプリングが吸収するメリットは想像しやすいと思います。加えて、Future Shockがあることで、凹凸の悪路を進んでいても、ハンドルは多少上下してもホイールベースに影響が出ないため、ハンドリングが安定するメリットもあります。

グラベル専用のジオメトリを開発

ジオメトリで違いがわかる人はすごい。

シクロクロスのジオメトリをやめて、新たに全く新しいOpen Roadジオメトリを採用して、よりグラベルらしいバイクに仕上げられています。

広めのホイールベースに、重心を低くしてより安定させるため、ホイール中心より低くBBを配置。短めのチェーンステイにして、悪路のチェーン暴れを軽減させるなど、グラベルを走るための設計思想がかず多く盛り込まれています。

そして、このDivergeを颯爽と乗りこなしているプロロードレーサーのピーター・サガン。

このプロモ映像を見てるともうマウンテンバイクにしか見えませんが。。。

S-WORKSは100万円を超えるので、これからグラベル始める人には、105搭載で20万円程度のSPCIALIZEDグレードのDIVERGE MEN E5 COMPをお勧めします。

スペシャライズド・Diverge MEN E5 COMPのスペック&価格

  • フレーム:アルミ
  • フォーク:カーボン
  • メインコンポ:シマノ・105
  • ホイール:Axis Sports Disc
  • タイヤ:Espoir Sport Reflect 700×30C
  • サイズ:48、52、54、56、58
  • 完成車価格:19万0000円(税抜)

GIANT(ジャイアント)・REVOLT ADANCED2

ジャイアントらしいハイコスパGRAVEL

ジャイアントも古くからANYROADというアルミのアドベンチャーロードバイクを展開してましますが、よりグラベルらしい一台が”REVOLT ADVANCED2

カーボンフレームで25万円という安さに驚きますが、グラベルとしての性能はしっかりおさえているのがジャイアントらしい一台です。

コンポはシマノ105で、ディスクブレーキ、40Cのチューブレスレディタイヤまあで揃っていてこの価格はハイコスパです。

独自の油圧式ブレーキシステムで低価格を実現

ハンドル中央ある見慣れない装置

特に変わっているのがハンドル中央にあるこのブレーキ用のアダプター。

これでワイヤを引くことで、油圧式ブレーキに繋がるという独自システムを採用しています。Giantは自転車にまつわるあらゆるものを自社内で作れる技術があるので他のフレームメーカーと一線を画すコスパバイクを投入できるわけです。

ジャイアント・REVOLT ADVANCED2のスペック&価格

  • フレーム:カーボン
  • フォーク:カーボン
  • メインコンポ:シマノ・105
  • ホイール:GIANT P-X2 DISC1
  • タイヤ:GIANT CROSSCUT GRAVEL 1 700x40C Tubeless Ready
  • サイズ:430(XS)、450(S)、470(M)
  • 完成車実測重量:9.75kg(Sサイズ)
  • 完成車価格:25万0000円(税抜)

FUJI(フジ)・JARI 1.3

FUJIですが、アメリカのメーカー

JARI=ジャリ=グラベルという名前のまさにグラベルロードバイクです。

FUJIのルーツは日本にあるので、アメリカのメーカーですが、こういった日本語を文字ったモデル名をつけているのは面白いですね。

グラベルロードバイクとしてのわかりやすさは名前と同様ピカイチです。

4モデルのラインナップがありますが、その中では中位グレードのJARI1.3

唯一フロントシングルのスラム・アペックス1のコンポを採用しており、よりグラベルに特化したバイク感があります。

スラム・アペックス1のフロントシングル&ワイドスプロケ

左:JARI 1.3、右:Giant REVOLT

まず特徴的なコンポ「スラム・アペックス1」ですが、フロントギアがシングル40Tで、リアのスプロケがワイドな11-42Tの設定です。(数字はギアの数です)

Giant REVOLTの105はフロント48x32T、リアスプロケ11-34T。

フロントギアは丁度ど真ん中のギアを使っていて、それで幅広いギア比を再現しているわけですね。

リアで一番大きいギアの42の大きさはなかなか迫力あるルックでかっこいいです。

JARIのプロモーション映像は1日のアドベンチャーを追体験できる内容でなかなか面白いです。

舗装路から地図を広げて未舗装路へ、キャンプして大草原や陸橋を渡り、山道を抜けて、たどり着くのはどこなんでしょうか?アドベンチャーです。

FUJI・JARI 1.3のスペック&価格

  • フレーム:アルミ
  • フォーク:カーボン
  • メインコンポ:スラム・アペックス1
  • ホイール:WTB ST i23, 32/32h
  • タイヤ:Panaracer Gravelking SK, 700 x 38c
  • サイズ:46、49、52、54、56
  • 完成車実測重量:9.86kg(52サイズ)
  • 完成車価格:18万9000円(税抜)

個性派グラベルロード3選

個性派でもあり、650Bなどホイール径を小さくして、より悪路への対応力を強化しているモデルから3つをピックアップしました。

少し変わったバイクに乗りたい人におすすめです。と言っても性能面でも全く問題ないので楽しいグラベルライフを送れるモデルたちです。

CANYON(キャニオン)・GRAIL(グレイル)

横から見るとわかりづらい最大の特徴は「2階建ハンドル」

ネット通販専門の自転車メーカー・キャニオンからのグラベルは、ハンドルが非常に特徴的。

”ホバーバー”と呼ばれる2階建てになっているハンドルで、曰くカーボンの弾性を生かした乗り心地を引き出すそうだ。フレームの形状もなんとも特徴的で、三角ではなく少し台形に見える。

ディスクブレーキや搭載性能などは申し分なく、ロードレースで培っている走行性能は間違いないバイクだろう。

2階建ハンドルで悪路でも安定したハンドリングを実現

ホバーバーの2階建てハンドルについて、もう少し詳しく調べるとその恩恵は悪路での安定したハンドリングにあるという。

2階建になっているハンドルは、正面から見た上の写真を見るとわかりやすいが、2本のバーが縦に並んでいます。そして、ハンドルの形状も下に行くほど広がっているハの字型で、これが下ハンドルを持った時に安定感を出してくれます。下ハンドルを持つ時にこの2階建の下のハンドルバーに親指を引っ掛けて握ることで、凸凹道の未舗装路でもハンドルと手が一体となり安定したハンドリングを実現するそうです。

このグレイルは試走するチャンスがあったので実際に走らせてみましたが、神宮外苑の舗装路しか走れなくてその走破力はほとんど体験できませんでした。

代わりに舗装路でもグラベルは全然重く感じず、30km巡航くらいなら全然できそうなのは良い発見でした。

(関連記事)

神宮外苑でロードバイク2019モデル試乗しまくり!PREMIUM BIKE IMPRESSION 2018 vol.2レポート

キャニオン・グレイルのスペック&価格

  • フレーム:アルミ
  • フォーク:カーボン
  • メインコンポ:スラム・アペックス1
  • ホイール:WTB ST i23, 32/32h
  • タイヤ:Panaracer Gravelking SK, 700 x 38c
  • サイズ:46、49、52、54、56
  • 完成車実測重量:9.86kg(52サイズ)
  • 完成車価格:18万9000円(税抜)

Cannondale(キャノンデール)・SLATE APEX1

フロントフォーク一本だけのLEFY

キャノンデールはいち早く650Bホイールを採用したグラベルロードとして投入したのがこのスレート。ロードバイクの700Cホイールより、直径がやや小さい650Bホイールだと乗り味が変わります。ハンドリングがクイックになったり悪路でも取り回し易くなったり、また、ホイールが小さい分、厚めのタイヤにすることでクッション性が上がり、乗り心地がよくなったりします。グラベルに650Bは向いているのかもしれません。

レフティのメリット

また、SLATEの最大の特徴は、前輪のフロントフォークが左1本しかない”レフティサスペンションフォーク”を採用しているところです。

レフティのメリットは、まず軽量化されることが挙げられますが、両側にサスペンションを持つと互いに干渉して十分な性能を発揮できないケースも多いため、左一本にすることでサスペンションの性能を最大限に発揮できるメリットの方が重要です。

これによりMTBやグラベルでの悪路走行をよりアグレッシブに快適にしてくれるのです。

キャノンデール・スレート APEX1のスペック&価格

  • フレーム:アルミ
  • フォーク:カーボン
  • メインコンポ:スラム・アペックス1
  • ホイール:WTB STP i19 TCS Rims / Resolute 650b x 42c Tires
  • タイヤ:WTB Resolute, 650b x 42c, tubeless ready
  • サイズ:400(S)、420(M)、440(L)、XL
  • 完成車実測重量:10.3kg(52サイズ)
  • 完成車価格:34万円(税抜)

KONA(コナ) Rove ST

紹介したバイクの中で唯一のクロモリで、ランドナー感を彷彿させるが最新モデル

旅するバイクならクロモリの古き良きランドナーを彷彿させるシルエットのRove STは一見の価値があります。

クロモリフレームのそのシンプルでスッキリしたフレームのシルエットは、ヴィンテージな雰囲気がありますし、そこについているホイールが650Bでタイヤにホライズンの47Cを履かせたバランス感もいい感じです。

また、47Cの太いタイヤはロードバイクとは全く違う乗り味で、ファットタイヤよりの浮遊感を味わえそうです。

1点、ディスクブレーキは機械式なのがちょっと気になりますが、価格帯が20万円以下に抑えられているので良しと考えますか。

他のグラベルロードとは一線を画したデザインの方向性でカジュアルに普段使いするバイクとしての存在感を感じますし、これで山道やヨーロッパの石畳を走ったりするのはなんともサマになりそうです。

コナ・Rove STのスペック&価格

  • フレーム:クロモリ
  • フォーク:クロモリ
  • メインコンポ:スラム・Rival1
  • ホイール:WTB STP i19 TCS Rims / Resolute 650b x 42c Tires
  • タイヤ:WTB Horizon Road Plus TCS 650x47c
  • サイズ:48、50、52、54
  • 完成車実測重量:10.3kg(52サイズ)
  • 完成車価格:17万3000円(税抜)

Rove STはアマゾンやYahoo!でも購入可能ですね。

(Amazon) KONA Rove ST

(Yahoo!) KONA ROVE ST

定価よりやや安い16万円ほど。近くに取扱店がない方はこちらでも。

(追記)
その後、検討を重ねてKONA ROVE STを購入しました!
KONA(コナ)ROVE STグラベル2019購入の決め手&初乗りインプレ

グラベルロードの魅力まとめ

アドベンチャーの余韻に浸れるグラベルの夕暮れ

ロードバイクから新しいポジションとして確立されつつある”グラベルロード”の魅力をお伝えしてきました。

レースやスポーツが目的のロードバイクのルール化されて似たようなスペックになってしまっている現状に比べて、グラベルはメーカーごとにグラベルの位置付けを模索しながら開発しているようで違いがあってバイクとして面白いです。

タイヤが細めの30〜35cを履いているとロードバイク寄りの軽快な走りはできますが、グラベルの走破力を高めるなら40cくらい思い切った太めのタイヤを履いたバイクを選ぶと乗り味が面白いです。

1台目か、2台目のバイクか?

グラベルが、最初の自転車なのか、ロードバイクを持っていて2台目として買うかで、選ぶ方向性も変わると思います。

本格的なスポーツバイクの最初の1台としてグラベルロードを選ぶ場合は、悪路や長距離走るキャンプなどのアドベンチャー要素だけではなく、ある程度スピードも出せるロードバイク寄りのグラベルロードを買った方が、普段使いでも使い勝手が良く楽しめると思います。

なので王道系グラベルのスペシャライズドやトレックなどロードバイクでの実績が多いメーカーを選ぶのが良いかもしれません。タイヤをやや細めの35cくらいでも良いでしょう。FUJIのJARI1.3もグラベルの王道感があるので1台目に最適じゃないでしょうか。

ロードバイクを持つ2台目としてグラベルを買う人の場合は、より”グラベル”らしさ、”アドベンチャー”らしさ、を感じられるバイクを選ぶ方が使い分けできて良いのではないでしょうか?個性派グラベル系は特に特徴的なバイクが多いのでおすすめです。

さらにグラベルの使い道として、「旅乗り」や「キャンプライド」などを視野に入れたい人は、荷物の搭載性能が高く、走破力の高いグラベルロードがおすすめ。

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個人的には街乗りで違和感なく、普段使い×グラベル感のあるKONA Rove STは、ロードバイクとは全く異なるバイクなので2台目候補としていいですね。

値段も17万円はかなり安くて買いやすいですね。タイヤはもう少し細くして軽快にしたいですけど。

また、ロードバイクを持っている人で、いきなり2台目にグラベルバイクを買うのはという人は、タイヤだけでもグラベル仕様に変えてみるのもアリです。

Pana Racer Graevel King

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