スペシャライズド 2017年モデル比較!ターマック、アレー、ルーベ、ヴェンジ!

アメリカのカルフォルニア州に本社のあるスペシャライズドは、ヨーロッパのメーカーに比べて40年程度と歴史は短い。しかし、ツール・ド・フランスなどプロロードレースの現場では、ティンコフ、アスタナなどのトップチームへフレームを提供して、グランツールを何度も勝利している自転車・ロードバイクメーカーである。

このスペシャライズド2017年モデルの中から初心者視点でオススメのロードバイクを今回は紹介する。スペシャライズドのロードバイクはモデルとグレードが多岐に分かれているため、初心者にとっては、少し判りづらく、とっつきにくいブランドかもしれない。

そこでまずは、グレードとシリーズを整理した上で、その中から予算やスペック、用途などから初心者にとってオススメのロードバイクへと結論を導き出して行こうと思う。

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SPECIALIZED(スペシャライズド)のロードバイク

今回のロードバイクは、タイムトライアルやグラベルロード(土の道や荒れた路面を走る)は除き、いわゆるオンロード(舗装路)を走るモデルのみを整理する。今回は、カーボンロードバイク、アルミロードバイクともに見ていく。

S-WORKSとSPECIALIZEDのブランドの違い

まずは、スペシャライズドのロードバイクのフレームにあるロゴが違うモデルがある「S-WORKS」と「SPECIALIZED」だ。

フレームの一番目立つ場所のロゴが異なるのだが、これはS-WORKSがプロ仕様のバイクと考えれば良い。WORKS(ワークス)とは、F1にもあるが、プロチームに機材提供して、メンテナンスも含めてレース活動を支援する団体のこと。SPECIALIZEDのWORKSを略して「S-WORKS」となる。つまり、S-WORKSのロゴを冠しているバイクはプロ仕様のバイクである。ロードバイクという趣味のメリットの一つは、お金さえあればプロチームと同じ機材を揃えて実際に走ることが可能であること。自分の好きなプロ選手が乗っているバイクと同じグレードのロードバイクで公道を走れる。一方、F1ファンではこうはいかない。鈴鹿で走っていたF1を購入することは現実的じゃないし、もし買えたとしても公道を走ることはできないだろう。

さて、SPECIALIZED(スペシャライズド)ロゴのロードバイクは市販化モデルとなるわけだが、プロ仕様のS-WORKSに比べて著しく性能が劣るというわけではもちろんない。むしろ、S-WORKSの技術で培った技術をもとにパーツ構成や素材をデグレードすることで、現実的な予算でコストパフォーマンスの良い一般人の手に届くロードバイクのブランドロゴが、SPECIALIZED(スペシャライズド)であると考えてもいいだろう。

SPECIALIZED(スペシャライズド)の中にもグレードによっては、S-WORKSのバイクフレームと同じ金型を使用して作られているバイクもあるくらいだ。

それに、ロードバイクを始めたばかりの初心者の足では、S−WORKSのバイクの恩恵は一部しか得られないだろう。プロ選手並みのスピードを出せるようになって初めて、S-WORKSを乗りこなしていると言える。だから、初心者が高いお金を払ってS-WORKSを買うよりは、コストパフォーマンスとしてSPECIALIZED(スペシャライズド)を選んでも全く問題がない。

ゆえに今回は、S-WORKSは対象から外しSPECIALIZED(スペシャライズド)にしぼって紹介する。

ロードバイクのモデルラインナップ

SPECIALIZED(スペシャライズド)が展開しているロードバイクのモデルのラインナップは以下のように複数存在する。

メンズモデル

  • VENGE(ヴェンジ) 世界最速を目指すエアロロードバイク
  • TARMAC(ターマック) 世界最高のバランスを目指したロードバイク。山も平地も。
  • ROUBAIX(ルーベ) 石畳も走れるエンデュランスロードバイク(ロングライド向け)
  • ALLEZ(アレー) アルミロードバイク

用途や目的によって上の3つのバイクは存在する。ちょうど、TREKのMADONE(マドン)、 EMONDA(エモンダ)、 DOMANE(ドマーネ)と対応しているイメージだ。

ALLEZ(アレー)はアルミニウム素材のフレームのアルミロードバイクで、グレードによって目的が分かれているようだ。

レディースモデル

レディースは、上記メンズモデルの名前違いで、フレームのジオメトリが女性向けになっていると考えると良い。

  • AMIRA(アミラ)≒ TARMAC(ターマック)
  • RUBY(ルビー)≒ ROUBAIX(ルーベ)
  • DOLCE(ドルチェ)≒ ALLEZ(アレー)

以上、7つのモデルをロードバイクの展開として、初心者に特におすすめなモデルは予算も考慮して、メンズモデルを基準にTARMAC(ターマック)、ALLEZ(アレー)あたりだろう。

ハイスペックのVENGE(ヴェンジ)と昨今はやっているロングライド向けエンデュランスロードバイクROUBAIX(ルーベ)についても適したグレードがあるかスペックを確認していきたい。

前述の通り、S-WORKSは今回は対象から外し、SPECIALIZED(スペシャライズド)から確認していく。

初心者におすすめのSPECIALIZED(スペシャライズド)モデル&グレード

カーボンロードバイク編

VENGE(ヴェンジ)ELITE(エリート)

旧型のS-WORKS VENGEと同じ金型を採用し、最上位クラスのFACT 10rカーボンを使用したエアロ志向のフレームを持つロードバイク。

VENGE(ヴェンジ) ELITE(エリート) 11速105完成車 ¥297,000

Black/RED

Black/Yellow

SAGAN COLOR

SPECIALIZEDの「自社内風洞施設Win Tunnelでの研究の成果をすべてのライダーの手に」の信念から生まれたのがVenge Elite。フロントエンドの剛性はTarmacより30%高く、シマノ 105とアクシス・エリート・ディスクホイールのスペック。

サーキットでの超高速タイムトライアルやクリテリウムなどで威力を発揮しそうなVENGE(ヴェンジ)。初心者のうちからスプリンターを目指すことを決めているなら、最有力候補だ。

特別カラーのSAGAN COLORは、プロ選手サガンをモチーフにしたカラーリング。2016年の世界選手権優勝を記念したものだ。世界選手権の優勝ジャージがフレームカラーのように虹色がモチーフになっていて、次の世界選手権までサガンはこのジャージを着てレースに出場する。

バイクのカラーとしても格好がよろしいので、気に入ったなら買いだ。

> VENGE ELITE

Tarmac(ターマック)

ロードバイクが走る平坦路、坂路、下りなど全ての局面に対して対応出来るバランスの良い性能を誇るターマック。スペシャライズドの初心者向けカーボンロードバイクとしては本命モデルのターマックだが、グレードが4つある。

  1. TARMAC EXPERT (ターマック エキスパート) 11速ULTEGRA完成車 ¥388,800
  2. TARMAC COMP (ターマック コンプ) 11速ULTEGRA完成車 ¥324,000
  3. TARMAC ELITE (ターマック エリート) 11速ULTEGRA完成車 ¥259,200
  4. TARMAC SPORT (ターマック スポーツ) 11速105完成車 ¥216,000

それぞれの違いを比べていこう。

TARMAC EXPERT (ターマック エキスパート) ¥388,800

2017年TARMACのうち、このEXPERTグレードのみ、現行モデルのS-WORKS TARMACと同じ金型のフレームを採用し、最上位クラスのFACT 10rカーボンを使用。

BLACK/RED

METALIC SILVER

グランツールを制したペテル・サガンやアルベルト・コンタドールのようなトッププロのバイクと同じジオメトリーで、彼らのバイクとほんの少ししか素材が変わらないFACT 10rカーボンファイバーを使用。 コンポーネントは高剛性で信頼性の高いDTスイス R460 Proホイールとシマノ・アルテグラ 6800を装備している。

VENGEに比べて、ダウンチューブがスマートにすっきりした印象で、格好よろしいターマック。ただ、S-WORKSと同じ金型のフレームを使用しているのでかなり値が張る。しかし、アルテグラのコンポーネントということもあり納得か。

> TARMAC EXPERT

TARMAC COMP (ターマック コンプ) ULTEGRA ¥324,000

カーボン素材は昨年からFact9rからFact10rにグレードが1つ上がった。フレーム設計は2016年S-WORKS TARMACとEXPERTのものを受け継ぐモデル。

CHACOL

SAGAN COLOR

フレーム設計は昨年の最先端だ。コンポーネントはアルテグラと同じなので、差額の6万円で最新フレーム設計にこだわるかどうか。特に今年からカーボンのグレードがあがっているので、COMPのお買い得感はアップしている。

※読者の方よりカーボン素材のグレードアップについて指摘いただきました。8/23現在でも日本のスペシャライズド公式ストアのターマックコンプの説明文が古いようです。スペック情報ではFact10rと表記されてます。また、スペシャライズドeliteライダーの読者の方からもがんがん踏みたい人にオススメとのコメントでした。ありがとうございます。

> TARMAC COMP

TARMAC SL4 ELITE (ターマック エリート) ULTEGRA ¥259,200

フレームがSL4グレードとなり、さらに廉価に買い求めやすくなった ELITE(エリート)モデル。カーボングレードは、Fact9rを使用。ギアなどのコンポーネントもULTEGRAがメインだが、ペダルのクランクのみPraxis Zayanteにグレードが下がっている。

GREEN

BLACK/WHITE

フレーム設計のグレードが下がったことで、COMPと比べて7万円以上も下がり非常に買いやすいグレードになっている。クランクのグレードがアルテグラではないが、この辺りは今後パーツを変えていけば問題ないように思う。フレームの形が自分として気にいるかどうかが最も大事な選択基準になる。

> TARMAC SL4 ELITE

TARMAC SPORT (ターマック スポーツ) 105 ¥216,000

フレーム設計はELITEと同じ構成のTARMAC SPORTはコンポーネントは105メインの構成。ただし、クランクPraxis Zayante、ブレーキは TIAGRAグレードと少し下げられている。カーボン素材は、COMP / ELITEと同じFact9rを使用。

BLACK/YELLOW

ORANGE

WHITE

コンポーネント構成が105になったことで、ELITEよりもさらに4万円下がって、ほぼ20万円でカーボンロードバイクが手に入る。スペシャライズドもブレーキやクランクのグレードを抑えることで、なんとかこの価格を実現したのだろう。パーツのグレードアップを後に回して乗り始めるグレードとしては適している。後々グレードを上げていくロードバイクならではの楽しみも味わえるのも付加価値と捉えられる。※自分でやるのめんどくさい人はやめたほうがいいけど。

> TARMAC SL4 SPORT

ちなみにキャノンデールのSUPER SIX EVO CARBON STD-MODとほぼ同価格である。

ROUBAIX(ルーベ) SPORT(スポーツ)11速105 ¥226,800

私も大好きな春のクラシックレースの代名詞「パリ〜ルーベ」の石畳の悪路を乗りこなすために作られたROUBAIX(ルーべ)。でこぼこ道の路面からの振動をカーボン素材とertzインサートとCG-Rシートポストで吸収するフレームのROUBAIX。コンポは105メインで構成されているものの、クランクPraxis Zayante、ブレーキAXIS1.0と少しグレードが統一されていない。

あくまでロングライドを快適に楽しく走ることが目的で高速走行を目指すグレードではないことは知っておいたほうが良いだろう。

BLACK/RED

BLACK/YELLOW

> ROUBAIX SL4 SPORT

(スペシャライズドストアでルーベを実際にチェックした記事)

先日、新宿にあるスペシャライズド東京を初めて訪れた。 ...

アルミロードバイク編

ALLEZ(アレー)

スペシャライズドからのアルミロードバイクのラインナップALLEZ(アレー)モデルも複数展開されている。

  • ALLEZ SPRINT COMP (アレー スプリント コンプ)  11速105
  • ALLEZ SPRINT ELITE (アレー スプリント エリート) 10速TIAGRA
  • ALLEZ ELITE (アレー エリート) 10速TIAGRA

しかし、これからロードバイクを本気で趣味にしようと思っている人にはコンポーネントは105から入って欲しいので、今回該当するのは、ALLEZ SPRINT COMPとなる。

ALLEZ SPRINT COMP (アレー スプリント コンプ) 11速105 ¥162,000

BLACK/RED

ORANGE

「これまでにテストしたアルミ合金バイクのなかで最高の剛性」という高剛性のアルミ合金構造とカーボンフォークで構成された最上位アルミフレーム「DSW SL」(ダルージオスマートウェルド)、VENGE(ヴェンジ)譲りのエアロシートチューブ&シートポストも持つ。超高速アルミロードバイクだ。グランフォンドでも、週末の遠出でも、レースでも、活躍が期待出来るアルミロードバイクである。値段も16万円台と買い求めやすい。

ALLEZ SPRINT COMP

(参考記事)キャノンデールのOPTIMOと比較してみる?

ツールドフランスの興奮も冷めやらぬこの時期を狙って、各メーカ...

値段はOPTIMOが14万円と価格は安くまとまっているが、ブランドの好みを優先すれば良いだろう。

また、1グレード下げたALLEZ SPRINT ELITE (アレー スプリント エリート) 10速TIAGRA完成車は¥151,200となるが、この程度の値段の差なら、COMPを選んだ方が後悔は少ない。

SPECIALIZED(スペシャライズド) ロードバイク2017年モデル まとめ

スペシャライズのカーボンロードバイクは、VENGE ELITE(ヴェンジエリート)、TARMAC(ターマック)、ROUBAIX(ルーべ)の3モデルがラインナップ。用途別に分けるなら以下になる。

  • スプリンターを目指すなら、VENGE ELITE(ヴェンジエリート)
  • ロングライド・旅乗り用のバイクなら、ROUBAIX(ルーべ)
  • いろいろ乗りたいなら、TARMAC(ターマック)

ただ、初心者がロードバイクを始めるにあたって、用途を明確に決めている人も少ないだろう。それならば、おすすめはTAMARC(ターマック)一点となる。

次にグレードはどれを選ぶかになるが、振り返ると以下の通り。

  1. TARMAC EXPERT (ターマック エキスパート) 11速ULTEGRA完成車 ¥388,800
  2. TARMAC COMP (ターマック コンプ) 11速ULTEGRA完成車 ¥324,000
  3. TARMAC SL4 ELITE (ターマック エリート) 11速ULTEGRA完成車 ¥259,200
  4. TARMAC SL4 SPORT (ターマック スポーツ) 11速105完成車 ¥216,000

予算が許すならば上のグレードを選べば良いが、私なりの決め手を一言で言えば、

「ロードバイクは見た目で選べ!」だ。

気に入ったフレームのロードバイクに乗って走るのが幸せである。

はっきり言って、フレームの差、素材の差はさほどない。初心者にはわからない程度である。それよりも初心者にも明確に分かるデザイン・色など、最初に気に入らないかったものは、時間が経っても、気に入らないのは変わらない。

だから、何より見た目が大事だ。自分の好みに合うデザイン・色のフレームを選んで欲しい。

個人的には、いまもし最初の一台をスペシャライズドで選ぶならば、TARMAC EXPERTのメタリックシルバーが気になりつつも、、、

TARMAC COMPのサガンカラーを最初の一台に選びたい。

サガンのアルカンシェルカラーは、今年限定のカラーだろうというのものも一つの理由だ。来年はまた世界選手権優勝者が変わるだろう。と思っていたら、世界選手権を連覇してしまった。今まさにサガンは全盛期だ。2017年のロードレースも彼が席巻するに違いない。

加えて、他にあまりないカラーだし、写真を見てもカッコ良い、実際に見てもかっこよかった。もし、自分で店舗に見に行けるなら、そのデザインを気に入ったら買いだ。

ロードバイクの用途は、3ヶ月くらい乗ってから決めればよし!

初心者にとって、ロードバイクの趣味としての使い道は、まずは3ヶ月くらいロードバイクを乗り倒してから決めればいい。

用途が決めた後に、それに合わせて、ホイールやサドルなどのパーツを少しずつ変更していくことで、ロングライド、レース、ヒルクライムなどロードバイクを進化させていくことも楽しめる。

まずは、最初の一台を勢いに任せて購入することをオススメする。

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