不精がたたってクロスバイクのリアシフトワイヤーが切れてしまいました。前々からシフトの調子がちょっと悪いなーと思ってはいたのですが、ある日全く操作できなくなりやむなく交換です。
今回は初めて自分でシフトワイヤーを交換しましたので、手順やコツなどについてまとめます。大変かなと思っていましたが、作業を終えてみると思っていたほど難しい手順もなく、ちょっと時間がかかったのは2箇所くらいでした。
バイク買ってからシフトワイヤーを一度も交換してないなーとか、シフトの調子がおかしいなと思っている方は、切れてしまう前にシフトワイヤー交換も検討してみてはいかがでしょうか。プラモデル感覚で簡単なのでできるとちょっと嬉しいものです。
シフトワイヤーの交換時期について
ワイヤー類の交換時期は、およそ1年くらいを目安にしてください。ワイヤーの錆、ほつれなどが出たときでも良いようですが、目で確認する機会も少ないので1年としておいた方が覚えやすいです。。私の場合は2年経過していたので、いつ切れてもおかしくなかったようです。今回、リアシフターだけ交換したので、近々時間を見つけてフロントの方も交換しようと考えています。
4ステップで簡単!クロスバイクのシフトワイヤー交換の手順&コツ
ステップ1:必要なモノ・工具を揃える。
まずはシフトワイヤー交換に必要なものを揃えていきます。
必要なモノ(消耗品)
- シフトワイヤー(インナーケーブル)
まずは交換するケーブルです。シフトワイヤーとブレーキワイヤーは太さが異なるので、シフト用のケーブルを購入して下さい。
- シフターアウターケーブル
シフトワイヤーでフレーム外部にある部分をカバーするアウターです。中にインナーケーブルを通します。エンドキャップがついているモノが便利です。
- ワイヤー用グリス
これは自転車屋さんに行くまで気にもしてませんでしたが、ワイヤー専用グリースが必要です。フレームなどの本体のネジなどで使用するグリースとは質が違うので兼用できないそうです。ちょっと高価なので、自分で作業するのやめようかなと心が揺らぎます。
必要な工具
- ワイヤーカッター
今回、唯一新しく必要になったのがワイヤーカッター。
ケーブルやアウターを切断するために切れ味が重要です。普通のペンチなどで無理やり切るとケーブルがほつれてしまいます。格好悪いというのもありますが、後々の交換でケーブルを抜くときに邪魔になりそうです。
こちらもグリスと同様そこそこのお値段なので、今後も自分でケーブル交換をやっていくなら購入です。
以下、その他に必要な工具ですが、通常持っているものだと思います。
- アーレンキー(六角レンチ)
- ラジオペンチ
- ドライバー
今回購入した総額は5,000円ほどになりました。
ケーブルやアウターはそれほどしないので、ほとんどグリスとワイヤカッターの値段です。
自分でやるか、自転車屋さんに頼むか悩むところです。
実際に自転車屋さんに交換を頼むと、ワイヤー、アウター代金に加えて、工賃が1,000〜2,000円ほどになります。1会の交換なら当然、頼んだ方が安く済みますが、今後、自転車に長く乗って1年に1回くらいシフトとブレーキワイヤー交換をやるのであれば購入して自分でやった方が経済的とは言えます。
自分で自転車をいじるという楽しみもあるので、プラモやDIYが好きなどその辺のモチベーションがある人は自分でやるのがおすすめです。私はそれほどて作業が得意でも無いのですが、愛車となると愛着があるので自分でやりたい気持ちが出てきました。
ステップ2:古いワイヤーを抜き取る。
さてモノと工具が揃ったら作業開始です。
ギアの変更してワイヤーのテンションを緩めます。
まずは、ギアを変更してテンションを緩めて作業しやすくします。
リアギアを一番外側へ入れます。フロントギアは一番内側へ入れます。
ワイヤーのリアディレイラー側の最後につけてあるインナーキャップを外します。
リアディレイラーのボルトをアーレンキーで緩めて、ワイヤーを外します。
外れました。
リアディレイラーから、ワイヤーを抜きます。
ケーブル抜くのは気持ちいいです。
ケーブルにつけてあるアウターは、順次外していきます。この時、どこにどんな風についていたか覚えておくことを忘れずに。後で同じようにワイヤーを取り付けていくことになるので。
リアディレイラーの調整ボルトを右へ締めておきましょう。後々微調整に使ったりします。
ケーブルからアウターを外し、フレームから抜いていきます。
ケーブルが通っている道筋を記憶しながら外していきましょう。
この流れでフレームの下のワイヤー部分を初めて見ました。
左がシフトワイヤー。右がブレーキワイヤー。
ネジ止めがありますが、こちらは触らずに抜くだけでOKです。
この先はフレームの中にケーブルが入っているタイプだったので、ハンドル側から抜き出しました。
外に出ているタイプの場合は、おそらくアウターがあるので忘れずに覚えておきましょう。
フレームの中へ入っていく部分から抜き出しました。エンドキャップともうひとつの補助がついてたことをチェックしておきます。
シフターから「タイコ」を抜き取ります。
ハンドルのシフターのカバーを外します。
初めてみましたシフターの中身。白いプラスチックのパーツの中にケーブルが通っています。ケーブルの端っこにある円筒状の銀色のパーツを「タイコ」と呼ばれます。
アップで見るとこんな感じです。ここが引っかかってシフト操作が行われます。
タイコを抜くコツ!
このタイコをぬきとる必要があるのですが、ここがステップ2で唯一ちょっと詰まったポイントです。白いシフターのパーツに引っかかるようになっているため、抜き取りづらいのです。
まず、ケーブルを押し込むようにして「タイコ」を押し込みます。
そして白いシフターに小さいマイナスドライバーなどの細長い棒を差し込み、てこのように軽く傾けて出口を開きます。
そのままケーブルを押し込むと「タイコ」が抜け出てきます。
あまり力を入れすぎてシフターを割ってしまうと完全にお手上げなので注意してください。それほど力入れなくても抜けますので。
タイコが抜けたら、そのままワイヤーを引っ張って完全にシフターからワイヤー全てを抜き去ります。
抜き取る作業はあっという間にできると思いますが、次に新しいケーブルで元の状態を再現する必要があるので、どのようにワイヤーが通っていたか、アウターがついていたかを覚えておくのも大事なコツです。
写真のように古いワイヤーとアウターをついていた順番に並べておくとつけるときに参考になります。
これで、「ステップ2:古いワイヤーを抜き取る」が完了です。
ステップ3:新しいワイヤーをつける
いよいよ新品のワイヤーに交換します。これまでと作業の流れが逆方向になります。
ハンドルのシフターからワイヤーを通して、最後にリアディレイラーへの取り付けとなります。
シフターにワイヤーを通す。
ワイヤーの先端にタイコがついていない方から通し始めます。
タイコを止める
先ほどタイコを抜いたところに収まるようにタイコを固定します。また白のパーツを軽く、棒などであげる必要があります。
シフターのカバーを取り付けます。
ワイヤーのアウターケーブルの中を通す部分にワイヤーグリースを塗ります。
普通のグリスに比べて、粘性が弱めのようです。ワイヤーとアウターケーブルの動作の際の滑りをよくするためにこのワイヤー専用グリースが必要になるのです。
アウターケーブルを適切な長さに切ります。
ワイヤーを本体につけていく流れで、もともとついていたのと同じようにアウターケーブルを通していきます。
アウターケーブルはこのように円状になっているので、必要な長さに切る必要があります。
アウターケーブルの長さを決めるコツ!
ここで取っておいた古いアウターケーブルが活躍します。
新しいアウターケーブルの横に古いアウターケーブルをぴったり並べて同じ長さに切ればOK!
ここでワイヤーカッターが活躍します!
適切な長さに切ったら、両端に付属のエンドキャップをつけて、外れないようにラジオペンチで軽く潰します。
ワイヤーにアウターケーブルを通して、本体につけていきます。
フレームの中をBBの下まで通していきます。黒いパーツの中を通っていたので、同じように穴を通していきます。
最後にぐるっとリアディレイラーの調節ネジまで通して
ワイヤーを通して十分なテンションになるように引っ張りながら、リアディレイラーの固定ネジを回します。
ここが個人的には最大の難関でした。
何度も固定ネジを締めるとシフトワイヤーがゆるまって、シフター操作しても全く変速できない状態になってしまいます。
ワイヤーをしっかり引っ張って固定ネジを止めるコツ
まず、あと少しでワイヤーが動かなくなるギリギリのところまで事前に固定ネジは締めておきます。
次に、ぐっとワイヤーを引っ張った状態にする前に、先に固定ネジにアーレンキーを入れて回しやすい位置にしておきましょう。
そして利き手でワイヤーをぐっと引っ張りながら、アーレンキーをもう一方の手で回します。この時リアディレーラーが動いてワイヤーが緩んだりしていたようなので、この閉める時間をできる限り短くするのがコツです。
余分なワイヤーを切って、インナーキャップをする。
最後は最初の状態に戻るようにインナーキャップをして、ラジオペンチで潰して取れないようにしてください。
また、ワイヤーは邪魔にならない位置になるように曲げて終了です。
ステップ4:ディレーラーを調整する
最後に変速機が問題なく動くか確認して終了です。
うまくワイヤーのテンションがある状態で取り付けられたら、特に調整の必要なくうまくいく可能性は高いです。
シフトがうまく変わらない。ローギアだけ入らないなど調整が必要な場合は、まずワイヤーのテンションがしっかり取れているかを確認してください。
それでもダメなら、以下の2手順を試してみてください。
調整ネジで微調整
ワイヤー交換でも通して黒いネジです。
こちらでワイヤーのテンションを微妙に締めたり、緩めたりできます。
あと少しだけ変速がうまくいかない!というときはこちらの調整ネジで調整すると良いかと思います。
リアディレイラーにあるネジを回して調整
リアディレイラーに並ぶ2つを利用してディレイラーそのものの可動域を調整する方法です。
- ネジの上が、端数の少ない(小さい)「トップギア」の調整
- ネジの下が、端数の多い(大きい)「ローギア」の調整
上がトップ、下がローと覚えるとわかりやすいですかね。
それぞれトップ(ロー)ギアに変速してからクランクを回してきちんと想定したギアに入るように調整してください。
例えば、トップにしているのにセカンドまでしかギアが変わらないなら、上のネジを回してディレイラーを動かして、トップに入るように調整するという形です。
調整が必要な場合は、以下のリンクも参考にしていただけると非常にわかりやすいです。
シフトワイヤー交換のまとめ
今回は一から作業を覚えたり撮影したりしていたので、1時間半近く交換にかかりましたが、次回以降は1時間もかからずにサクっとできそうです。ワイヤーが切れてからではなく、定期的に交換して気持ちいい乗り心地のバイクを維持していこうかなと思います。
新車のときもそうでしたが、新品のワイヤーは、ある程度乗っているうちに伸びてしまうので、変速がおかしくなったらワイヤーを引っ張りなおして、調整が必要かなと思います。
また、ワイヤー交換はシフトワイヤーよりも、ディレイラーの調整が必要ない分、ブレーキワイヤー交換のほうが楽なので、最初のチャレンジはブレーキワイヤーにしてみるのもありかと思います。
ブレーキ用のワイヤーは太さが違うので、ブレーキインナーケーブルとワイヤーを用意してください。ワイヤーカッターやグリスなどは兼用できるので一度、揃えてしまえばコストはやすいですね。
今回使用したパーツ・工具まとめ
パーツ
- シフトワイヤー(インナーケーブル)
- シフターアウターケーブル
- ワイヤー用グリス
工具
- ワイヤーカッター
- アーレンキー(六角レンチ)
- ラジオペンチ
- ドライバー