トレックの2018年モデルが、さりげなく、他のメーカーに先んじて店頭にいち早く並び始めた。
ツール・ド・フランスの前後の時期に各メーカーはこぞって、最新モデルを市場に投入するのが通例だが、
今年はピナレロのフラッグシップのDOGMA(ドグマ)の最新モデルが1月に発表されるなど、横並び感がなくなっている。
昨年は、7月には各メーカーの最新モデル情報が出揃い、8月頭くらいには店頭にちらほらと並んでいたのだが、7月末にワイズロードをちょこっと覗いてみたレベルだが、まだトレックくらいしか2018年最新モデルはなかった。
ただ、2017年モデルのセールが始まっていて、30%OFFなどかなり安くなっていて、それはそれで心がちょっと踊るのだが。
今回は、そんなトレックの中でもEMONDA(エモンダ)の最新モデルについて紹介したい。
特に去年の定価からググっと値段が下がったSL5は、初心者がカーボンロードバイクに乗り始めるのに最高のモデルに仕上がっており、要チェックだ。
TREK(トレック)エモンダの位置付け
まず、トレックのロードバイクは3つのシリーズに分かれていて、それぞれのバイクの性能・特徴がわかりやすいので初心者にも選びやすい。
- MADONE(マドン) エアロロードバイク(本格ロードレース向け)最高品質・バランス最高
- DOMANE(ドマーネ) エンデュランスバイク(ロングライド向け)振動吸収性能高い。
- EMONDA(エモンダ) 最軽量ロードバイク (ヒルクライム向け)超軽量設計。
なかでも、エモンダは、各グレードで最軽量バイクを作ることをコンセプトにしている。
フレームデザインから、パーツ選択に至るまで、細部まで軽量にこだわりぬいているのだ。
軽いことはロードバイクにおいて、特にヒルクライムシーンでは明確なアドバンテージを得ることができる。
そのため、初心者にとって難関であるヒルクライムをできるだけクリアしやすくしてくれるエモンダは、ロードバイクを楽しむことを覚えるための最初の1台として、最良の選択肢の一つだと考えている。
もちろん、ヒルクライム以外のシーンでも、軽量ロードバイクは楽に速く遠くにいける武器になるので、サイクリングロードを主戦場にしたい人にだっておすすめできる。
2018年のEMONDAエモンダのラインナップと特徴
トレックのエモンダは、予算に合わせたグレードを各種取り揃えているのも選びやすさのポイント。
シリーズのラインナップはアルファベットで区別され、その後ろに数字がついている。
ハイエンドから SLR > SL > ALR(アルミニウム) となる。
SLR、SLはカーボンロードバイクだが、ALRはアルミ素材のロードバイクでエントリーするのには手軽な価格帯だ。
※昨年までは、カーボンロードバイクのSシリーズがあったが、これはなくなり、SLシリーズがググッと価格を下げて、このSシリーズの価格帯をカバーするようになったのだ。
EMONDA SLR
まずはトレックの最上位モデルの一つであるSLRの2018年モデルの特徴を簡単にまとめると、
2018年モデルはフルモデルチェンジされ、さらなる軽量化と剛性UP、そしてディスクブレーキに対応したモデルが投入された。
- 最上位の超軽量カーボン(OCLV700)を使用し、フレームはさらに50グラム軽量化(640グラム)
- ディスクブレーキ対応モデルも登場
- 剛性の向上(BB、ヘッドパーツなど)しつつ、振動吸収性も向上
世界最軽量のバイクとして、さらに進化を遂げているようです。
剛性だけが高くなると、乗り心地に影響するという不安もあるが、バーティカルコンプライアンスを高めて、シートやハンドルへの衝撃をカーボンのしなりで吸収するようにして、快適性を維持しているようだ。
エモンダSLR9 ¥1,199,880-(税込)
コンポは、憧れの電動「デュラエースDi2 9150」
ホイールには、「アイオロスD3」
SLRはProject ONE対応なので、自分好みのカラーやパーツを選択できる。
100万円を超える超高価な完成車となれば、Project ONEを利用して自分だけの色に仕上げたい。
エモンダSLR8 ¥860,760-(税込)
コンポは「デュラエースR9100」
ホイールは「アイオロスプロ3」
エモンダSLR6 ¥590,760-(税込)
コンポは、最新の「アルテグラR8000」
ホイールは、「Bontrager Paradigm Comp Tubeless Ready」
SLRを50万円から導入できるモデル。
最新のアルテグラR8000を搭載しているので性能も十分だ。もちろん、パーツをグレードアップしていけば、さらに性能向上できるので、ベースモデルとして購入し、自分好みのバイクへ仕上げていくのも楽しいだろう。
EMONDA SL
フレームデザインはSLRと同じものを利用して、カーボンのグレードをOCLV500に下げることで価格を押さえている。
それでもフレーム重量は1091グラムとほぼ1kgの軽量モデルに仕上がっている。
ダイレクトマウントブレーキ方式を採用し制動力も向上。
トレック独自の「BB90(剛性アップ)」「ライドチューンシートマスト」「E2ヘッドチューブ」の振動吸収性能の向上などのテクノロジーでレースでも、日常ライドでも十分すぎる性能を発揮してくれる。
エモンダSL7 ¥520,560-(税込)
コンポに新型電動「アルテグラDi2」。
ホイールは、「アイオロスプロ3」
価格的には、SLR6と悩むところだ。SLは電動コンポという魅力もある。
ただ、ロードバイクの性能はフレームがメイン。パーツは後から変えられるからだ。
SL7を購入するなら、もう少し頑張って最高グレードのフレームSLR6を狙うのをオススメしたい。
エモンダSL6 Pro ¥450,360-(税込)
コンポに新型「アルテグラR8000」
ホイールは、「アイオロスプロ3」
SL6との違いはホイール。最新のアイオロスプロ3が装着されている。
前後合わせて約19万円のカーボンセミディープホイールだ。
このホイール購入を検討しているなら、SL proを購入した方が5万円ほどお買い得プライスになる。
他のホイールに興味がある人はSL6を購入してお好みのホイールを別で購入するので問題ない。
エモンダSL6 ¥320,760-(税込)
コンポは、最新の「アルテグラR8000」
ホイールは、「Bontrager Paradigm Tubeless Ready」
最新アルテグラのフル装備のカーボンロードバイクで32万円は、他のメーカーと比べてもかなりのお買い得価格。
去年は105モデルの価格帯だった。
初心者でもコンポの105とアルテグラの違いは乗ってみると一目瞭然。
最初からアルテグラを狙うのは悪くない。
エモンダSL5 ¥230,040-(税込)
コンポは、「105」
ホイールは、「Bontrager Paradigm Tubeless Ready」
2018年最新のエモンダSLグレードを最低限のパーツで組み上げた完成車。
105のカーボンロードバイクで税込23万円の価格は、エントリーバイクとしては最強のコスパではないだろうか。
2017年のSL5は299,000円だったので、一気に6万円も安くなった。(2016年は31万円だった。)
2年前に比べても、トレックはSLをかなり買いやすい価格まで下げることに成功したので、Sシリーズを廃止したのだろう。
今のところ2018年モデルで初心者イチオシは、このエモンダSL5と考えている。
EMONDA ALR
アルミ素材でも最軽量のフレームを提供するトレック。
エモンダALR5で計測重量8kgちょっとの軽量を実現していて、その辺のカーボンロードバイクより軽い。
アルミはカーボンよりも乗り心地が硬いという印象があるが、好みによってはアルミの方が好きという人も多い。
ペダルを踏んだ力がグイグイ伝わるレスポンス感を味わってみると意外と悪くない。
エモンダALR6 ¥320,760-(税込)
コンポ「アルテグラR8000」
ホイール「Bontrager Paradigm Tubeless Ready」
アルミロードバイクで30万円を超えてしまっている。
これを購入するなら、SL6を購入した方がいいのでは?と思うが、アルミの乗り心地が好きな人にはいいのかも。
エモンダALR5 ¥179,280-(税込)
コンポ「105」
ホイール「アルミホイール」
105コンポで20万円を切ってくる価格。
ただし、あと6万円でカーボンロードバイクのSL5が手に入るので、そちらをススメたいところ。
例えば自転車通勤などに使用するので、あまり気を使わずに頑丈なものを選びたいならアリのモデルだ。
エモンダALR4 ¥139,320-(税込)
コンポ「ティアグラ」
ホイール「アルミホイール」
コンポグレードがティアグラになるので、リアのギアが10枚に減っている点に注意。
価格が14万円まで下がっているのは魅力的。
個人的には、自転車通勤用バイクとして選ぶならこのALR4のアルミバイクがいいかなと思う。
万一の盗難でも、ショックは小さくなるし。
TREK エモンダ 2018年モデルまとめ
2018年フルモデルチェンジされたエモンダの魅力を紹介してきた。
特にこれからロードバイクを始める人にオススメしたいのは、やはりSL5だ。
「価格」ももちろん大きな理由だが、ロードバイクの楽しみの一つに自分好みのバイクに仕上げるという「カスタマイズ」要素がある。
パーツグレードが最低限であるSL5はそのカスタマイズの楽しみの余白が十分に残っているので、まさにロードバイクを趣味として楽しめる時間がより長くなる。
まずは、ホイール買って、サドルやハンドルも変えて、ペダルやクランクなどコンポもパーツごとにグレード上げて、というようにお小遣いをためてはパーツを変えていくような楽しみ方がある。
そうして、数年楽しんだあとには、新しいバイクとして、自分好みのパーツを選んで最高級バイクを組み上げるというのが趣味のロードバイク道の王道コースとなる。
今回したロードバイクまとめ。(リンク先はTREKオフィシャル)
SLRシリーズ
SLシリーズ
ALRシリーズ
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