Zwift(ズイフト)は、ネット上にあるバーチャル空間でサイクリング、トレーニングができるサービス。
コースはかなりクオリティが高く面白い。
オリジナルのコースに加え、世界選手権で舞台になった現実のコースも登場するので、海外でサイクリングしている気分になれるのも楽しい。
ロードバイクは、継続して乗り続けないと、心臓や足がなまってしまうので、継続的に乗ることが重要ですが、平日に時間が取れない人や、雨の日、雪の日にトレーニングしたい人は、このZwiftはまさにもってこいのツールです。
時間のないサラリーマンライダーにとって、週末ライドが生命線ですが、運悪く土日に雨が降ったり、別の用事があって乗れないと、ロードバイクに2週間乗れないということもすぐ起こりうるのです。
そうすると、せっかくマメにトレーニングしてきた成果ももなくなってしまったような気がして、次の週末ライドのモチベーションも下がるという、悪夢のバッドスパイラルに突入してしまうことも。
このバッドスパイラルを回避するためには、平日も含めて継続的にロードバイクに乗れる環境を作る必要がある。
その最も単純な解決方法がローラー台。
そして、そのローラー台を使って、ヴァーチャル空間を走ろうというのが、Zwiftである。
本記事では、Zwiftのはじめ方、セッティング、楽しみ方についてまとめていますので、これからZwiftを始める方、始めたいなーと考えている方はぜひ一読の上、Zwiftの世界を楽しんでください。
Zwiftは14日間無料体験で始められる。正式会員になると月額1,650円(税込)
Zwift(ズイフト)でできること
そもそも、Zwiftでできることは何か、以下の3つのトレーニングである。
自分のロードバイクをPCのZwiftソフトを通して、ネット上にあるヴァーチャル空間で走らせることができる。自分の自転車を漕ぐ力で、Zwift上のロードバイクが走るので、現実で速い人ほど速く、遅い人はそれなりに遅くなる。
・ヴァーチャルライド
架空世界のWatopiaに加え、現実世界のロンドン、アメリカを舞台にしたヴァーチャルコースをローラー台で走った力をネットで伝えて走ることができる。
起伏に富んだレイアウトのコースで、登り坂に差し掛かるとよりパワーが必要になるし、下り坂になると、ペダルを漕がなくても自転車が進む。仮想空間だが、非常にリアルに自転車を走らせることができる。
・グループライド/レース
Zwift上では、同志を募って、グループライドやレースイベントが定期的に開催されている。上記画面の右上にある「UPCOMING EVENT」が参加可能なイベント。
ロンドン1周だったり、Watopiaの山岳コース一周だったり、火山の平坦コースだったり、いろいろなコースと距離で、ライダーを募集している。
イベント参加も簡単で、イベントをクリックしてエントリー。開始時間前までにZwiftの世界に入る。するとJOIN EVENTボタンが表示されているので、それをクリックすれば、イベントスタート地点へワープできる。JOIN EVENTをクリックせずに、ウォーミングアップがてら走っていてもいい。イベント開始数分前に自動的にスタート地点にワープしてくれる。
レース参加の目安は、平均出力パワーでRankがあるので、それを参考に自分のレベルにあわせたイベントを選ぼう。すげー速い人用のイベントに参加するとあっという間に置いていかれて、一人取り残されること請け合いだ。イベント感はまるでない笑
パワーはWで表すのだが、体重も関係してくる。体重60kgの人が180w(ワット)の出力を継続して出せる場合、出力W÷体重kg=パワー目安で、3.0w/kgを参考値とする。
同じ180wでも、体重90kgの人だと、2.0w/kgが参考値となる。この数字が大きいほどロードバイクで効率良くパワーを出せてる人だと考えて欲しい。
2.5w/kgで大体初心者レベルなようだ。
・WORK OUT ワークアウト
ローラー台はもともとトレーニングが大きな目的である。そのトレーニングをサポートしてくれるモードもzwiftは用意している。
自分の推定FTP(1時間平均の出力)にあわせて、インターバルトレーニングメニューを提供してくれる。ワークアウトモードで始めると、その時に出力すべきパワーを表示してくれる。
100wで5分ウォームアップして、250w1分、100wクールダウン1.5分を3セット、200w10分など、トレーニングが進行していくので、自分でタイムを見る手間も、必要なワット数も決める必要もなくなり、非常に簡単にトレーニングができて良い。
ただ、非常にストイックなモードでマジで強くなりたい人にオススメ。
以上が、Zwiftでできるヴァーチャルライド3つの主要モードである。
3ステップではじめるZwift(ズイフト)入門
さて、ではこのようにいろいろなヴァーチャルライドが楽しめるZwift(ズイフト)をスムーズにはじめる方法をまとめていこう。
外国のサービスで、周りにやっている人も少ないので分かりづらかったりするが、始めようと準備しすると、意外とあっけなく簡単にできるのでさほど気構える必要はない。
以下の3ステップで簡単に始められるので、順を追って確認してほしい。
⑴Zwiftに必要なものを揃える
まずは、Zwift(ズイフト)を必要なものについて説明していこう。
- ロードバイク
- PC(スマホ) Zwiftを作動させる。今後はスマホやタブレット対応予定。
- ネット環境
- ANT+送信機 ロードバイクの運動をPCに伝える機器。
- ANT+受信機 PCのUSBに差し込み
- ローラー台 ローラー台はなんでもOK。
以上、6つだけ。では一つずつ説明していく。
1.ロードバイク
これは愛車があればOK。
固定ローラー台だと、付け替えるのが面倒でローラー専用のバイクを用意するツワモノもいる。
2.PC(スマホ)
PCについては、推奨環境が、Zwiftの公式ページに記載されている。
OS Windows 7 64bit or higher,or macOS 10.8 or higher
PROCESSOR Dual Core Intel® Core i5 or AMD
MEMORY 8GB
GRAPHICS 2GB Radeon R9 200 series,or NVIDIA GTX 650
HARD DISK 4GB of free space
ちなみに私は、2016年のMacbookで遊んでいるが、全く問題ない。
3.ネット環境
普通のWifi環境があればOK
4.ANT+送信機(センサー)
ロードバイクの出力を送信するためにロードバイク側に付ける送信機。ローラー台に搭載されている場合は、そちらからの送信でもOK。
こちらがZwiftで認識するセンサー。
- Powerメーター (ローラー台が対応している場合はそれでOK)
- Speedセンサー
- 心拍センサー
- ケイデンスセンサー
- スマートトレーナーセンサー(ローラー台自体が送信するものの場合)
屋外を走るときにGarmin Edgeなどを使用している人は、すでにいくつかセンサーを設定していると思う。
そちらは基本ANT+対応なので、それを活用すればOK
Garmin Edgeセンサー付
センサー単体でも購入可能です。
・Speedセンサー、ケイデンスセンサー
・心拍センサー
ガーミンは普段のライドでも使えるので買っておいて損はないので、Zwift導入を機に揃えるのもおすすめです。
ちなみに、自転車に取り付けるパワーメーターは非常に高価です。
ペダルに伝えた足の力を計測する特殊なセンサー。
私はパワーメータを持っていないが、ローラーのTACX Neoがパワー計測してくれるので、そちらでZwiftしています。。
スピード、ケイデンス(回転)、パワー、心拍。この4つの出力をZwiftではモニターすることで、非常に充実したトレーニングができます。
以上のセンサーが準備できれば、ローラー台はどんなものでもOKだ。3本ローラーでも固定ローラーでも、ハイブリッドローラーでも問題ない。
ちなみにスピードセンサーだけでも、Z wiftの世界を走ることは可能。ただ、パワー計測なしだとややチートになったり、思うように反映されないのでパワーメーターは、自転車につける、もしくは、ローラー台についているものを選ぶのをおすすめします。
Zwiftに対応してパワーを計測できるハイスペックなローラー台については、後述します。
5.ANT+受信機
ロードバイクから出力されたデータをPC側で受信するために必要なANT+受信機。
ガーミン派なので、こちらを使ったりしているが、
この安いやつでもいいみたいだ。
6.ローラー台について
ローラー台については、センサー類が揃っていれば、クラシックなローラー台でも問題ない。
注意は、スピードセンサーなどタイヤの回転が必要なものは、タイヤが回転していないと当たり前だが、出力が出ない。固定ローラー台だと前輪は回さないので、前輪にセンサーをつけるタイプのスピードセンサーは使えないので、後輪につけるなどの工夫が必要に成る。
一方で、Zwiftがお勧めするスマートトレーナーと呼ばれるローラー台がある。
こちらはローラー台自体にパワーメーターなどのセンサーが内蔵されているため上記のようなセンサーは必要ないのでシンプルです。
このスマートトレーナーは、Zwiftをより楽しむために、Zwiftにパワー(ワット)を送信して自動的に地形や条件の変化と一致するように抵抗を変化させるという優れもの。
ヴァーチャルコースの起伏にあわせて、自動的に負荷が変わり、上り坂は苦しく、人の後ろを走ってドラフティングしているとちょっと楽チンになったりして、よりリアルなヴァーチャル走行を楽しめるというハイテクなローラー台だ。
私もそのスマートトレーナーの一つであるTacx Neo Smartを使ってZwiftを楽しんでいる。
パワーメーター、スピードセンサー内蔵で、自動負荷制御もしてくれる。上り坂は最大22%まで負荷を上げてくれるし、下り坂も5%まで再現してくれる。下り坂が楽なのは嬉しい。
冬のトレーニングに最適です。Zwiftの連動も楽しめて、静かなローラー台が欲しいと思っている方は、ぜひこの機会を活かしてください!
以下の記事でスマートトレーナーのオススメ6台を紹介しているので参考まで。
⑵ Zwift(ズイフト)セッティング
必要なものを揃えたら、Zwiftのためにセッティングを行おう。
ローラー台にロードバイクをセット
固定ローラー台のTacx neoはこんな感じで、後輪を外してロードバイクをセットする。
振動が響かないようにローラー台の下には緩衝材などを敷いていたりする。
音は意外と問題ないが、ローラーを伝わる振動は近隣に迷惑がかかりやすいので、緩衝材は賃貸なら必須アイテムだ。
これをローラー台の下に4つ置いています。
ローラー台でセッティングしておくといいもの
その他にローラー台周りで必要なアイテムは幾つかあるので紹介っする。
トレーニングマット 床に滴る汗を受け止める
スウェットカバー ロードバイクに滴る汗を受け止める
タオル スウェットカバーの上にタオルを引いておくと、走りながら汗も拭ける
なんでもいいです。細長いスポーツタオルがオススメ
リモコン付 扇風機 ローラー台はとにかく汗をかくので。
ローラー台を選ぶときはみなさん真剣だと思いますが、意外と「扇風機」大事だったので、慎重に選んでほしい。
一番は、リモコン付の扇風機であること。
ローラ台では、外を走るのと違い、室内なので無風。だから、かなり汗をかく上に汗が全く乾きません。なので人工的な風を送る扇風機は絶対の必需品。
これはよく知られているが、リモコンなしの扇風機だと、ON/OFFや風量の調整したいときローラー台からイチイチ降りなければいけない。これが超面倒くさい。
だから、リモコン付扇風機は是非オススメしたい。ローラー台の走り始めはそれほど暑くないので、風を浴びると寒い。ローラーを回してしばらくして暑くなったら、リモコンで扇風機を回し始めるとちょうどいい。
さらに、リズム風など、勝手に強弱を変えてくれる機能があると、ヴァーチャル気分も盛り上がり、過度に涼しくならないので、オススメだ。
PCでZwift(ズイフト)を起動する。
ローラー台のセッティングが終わったら、次はPC。
ANT+受信機をPCのUSBに差し込んで、Zwiftのアプリを起動するだけだ。
すると起動画面の後にセンサーの接続が自動で行われる。
センサーペアリング画面
センサーがあれば、それぞれのアイコンが青く変わって準備ができると勝手に次の画面へ移行する。
パワーメーターなど持っていないセンサーがある場合は、SKIPすれば良い。
おそらく、最低限スピードセンサーがあれば、Zwift上でロードバイクを走らせることだけはできるはずだ。
START画面
センサーが読み込まれるとこの画面に移行する。
ここで、前述のどんなZwiftの遊びかたをするか決める。フリーのヴァーチャルライドか、グループライドか、ワークアウトか。
あとは、ROUTE(ルート)を選ぶ。ヴァーチャル空間のコースをどのように回るか決めるルートで、幾つかパターンがある。山へ行くか、平坦を周回するかなど、その日の気分に合わせてルートを選ぶ。
最後に、RIDEボタンをクリックすれば、Zwiftの世界がスタート!
ヴァーチャル世界に自分の分身たるアバターが登場する。
ローラー台のロードバイクのペダルを漕ぎ始めればと、彼が一生懸命走り始める。
我が家のZwiftセッティング例
私は、MacbookでZwift(ズイフト)を遊んでいるが、そこからテレビへApple TVで出力している。
これでMacの画面をTVに転送できるので、大画面でZwiftを楽しむことができる。
TVを2画面分割にして、Zwiftをやりながらテレビも同時に観たりしている。
Zwiftの世界に集中してもいいのだが、家族がテレビを見たいときには分割が役に立つ。
誰もいない時は、1画面で楽しむのもよりリアルなヴァーチャルライドを楽しめる。
⑶ Zwift(ズイフト)世界の歩き方
Zwiftの世界で起こることはそれほどないが、基本的にはまずいろんなコースを楽しく走ろう。
計測エリアを楽しもう
ヒルクライムとスプリングポイントが数十分起きに出てきたり、ループコースのタイム計測などが行われるので、まずは、そのタイムを短縮したりしながら、自分のスキルや力を伸びを実感するとモチベーションが上がります。
ちなみにZwiftでは雨が降ってますが、特に何も変わりせん。
人がいたら、後ろをついて行ってみよう
Zwiftがいいところは、他にも走っている人がいるところ、スマートトレーナーだと人の後ろにつくドラフティング効果が再現されるので、人の後ろにつくと若干楽になります。
ただ、Zwiftのプレイヤーは健脚揃いなので、凄い速くて自分の力以上を求められるのでついていくのがしんどいことが多いので、トレーニングのペースメーカーとして利用するのもいいでしょう。
毎日の走りを振り返ろう
毎日の走りの最後には、今回の走りと、これまでのベスト出力パワーが表示されるので、それで毎日の走りを客観的にふり返ろう。
アバターをカスタマイズする
ネットゲームならではのアバターのカスタマイズもできます。
走っているうちにバイクやホイールなどもゲットできたりするので、ジャージを変えたり、ホイールを変えたり、自分好みのアバターを作っていくのもちょっとだけ楽しいかもしれない。
アチーブメントをとる
走りの内容に応じて何かしらの評価がたまります。全く気にしてませんが。
基本的には、この辺りがZwiftのゲームとしての楽しみ方ですが、基本的にはローラー台による室内トレーニングの補助、モチベーションアップと考えるとかなりリッチで楽しいウェブゲームですね。
慣れてきたら、グループレース、ワークアウトなどを始めるとまた、フリーライドとは違った楽しみ方も広がります。最近は、タイミングが合えばグループライド・レースに参加して、いいのがない時は、ワークアウトを1時間くらいやる感じです。
Zwiftのはじめ方のまとめ
Zwiftを始めるのに特別に必要なのは、センサー類とその受信機。
センサー類
Garmin Edgeセンサー付
センサー単体でも購入可能です。
・Speedセンサー、ケイデンスセンサー
・心拍センサー
・Powerメーター
ANT+受信機
ローラー台はなんでもいいが、スマートトレーナーがオススメ
センサー類が揃っていればローラー台はなんでもいい。ただ、スマートトレーナーにするとヴァーチャルコースに合わせて負荷が変わって実走感がますのでZwiftがより楽しめる。
ローラー台に追加でセッティングもの(暑さ・汗対策)
トレーニングマット 床に滴る汗を受け止める
スウェットカバー ロードバイクに滴る汗を受け止める
タオル スウェットカバーの上にタオルを引いておくと、走りながら汗も拭ける
リモコン付 扇風機 ローラー台はとにかく汗をかくので。