Giant(ジャイアント) 2017年モデルTCR SLRとコンテンド、甲乙つけ難し!

Giant(ジャイアント)の2017年最新のアルミロードバイクのモデルは最新シリーズが登場。

エントリーロードバイクという位置付けの新シリーズ「コンテンド」と、軽量アルミレーシングバイクの「TCR SLR」だ。どちらも性格付けがはっきりしていて、今年のジャイアントは、エントリー向けロードバイクとして、うまく的を絞ってきている気がする。初心者向けのアルミロードバイクとして、どれを選ぶと良いか、スペックや仕様、見た目などからインプレ・レビューします。

ジャイアント2018最新モデル記事も追加しました。

2017年ロードレースシーンはGIANT(ジャイアント)が一...

Giant(ジャイアント)のロードバイクブランドとしての位置付け

まずは、Giant(ジャイアント)といえば、リーズナブルな価格帯で展開をしており、安ブランドでは?、と敬遠してしまう人も少なからずいると聞く。確かにGiantは、台湾の自転車メーカーであり、安くロードバイクを提供しているが、決してヨーロッパのメーカーよりも技術が劣るというわけではない。

そもそも、Giantは、ヨーロッパブランドのメーカーのOEM生産を手掛けているのだ。エントリー向けロードバイクの価格帯10万円〜30万円台のロードバイクであれば、多くがMade in Taiwanフレームだったりする。だから、Giantの自転車だろうが、トレック、ビアンキだろうが、ロゴを剥がせばそれほどフレーム性能に差がないはずである。(※値段にはブランド価値により差がある)

また、技術面ではトップチューブが大きく傾いた「スローピングフレーム」を最初に設計したのはジャイアントであり、世界的に普及していることからも、革新的な技術も期待出来るメーカーである。

ブランド力という点では、ヨーロッパやアメリカのブランドメーカーに確かに劣るのは否めない。私も最初はそう思っていた。しかし、ロードレースの世界では、ドイツのUCIワールドツアーチームの「ジャイアントアルペシン」に機材を提供しており、ツールドフランスでも要所要所で活躍している。

2016年のツールドフランスでも、序盤のクライマックスのピレネー山脈では、トム・デュムランがステージ優勝を果たしているし、フランス人の期待の星であるエース「ワレン・バルギル」も調子が良さそうである。Giantのブランド力はぐんぐん上昇していると言っても過言ではないだろう。

トム・デュムランが雹が降りつけるゴール地点を駆け抜けた (ツールドフランス7/10)

もはや、Giantは一目置かれるブランドである。

それでは、そのジャイアントの2017年最新アルミロードモデルを見ていこう。

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Giant(ジャイアント) コンテンド 2017年最新モデル

ジャイアントは、これまでエントリーロードバイクとして、レーシーな「TCR」とより快適なロングライドに向けたエンデュランスロード「DEFY」の2つのシリーズを展開していて、なかなか初心者を悩ませていた。実は初心者にとって一番難しいのが、ロードバイクの用途を決めることなのではないかと個人的には考えている。

初心者が、乗ったこともないロードバイクについて、俺はロングライドメイン!とか、レースにバリバリ出るぜ!とか、ヒルクライマーで山岳賞をとりまくるぜ!など明確な目的や意思を持つのはなかなか難しい。自分がどんな乗り方が好きかは乗ってみないとわからないからだ。だから、いきなり、レースよりのとか、ロングライドよりのとか、ヒルクライム向けのなどと言われても、選べずに悶々としてしまう。私も、レースに出るとか考えてもなかったし、ヒルクライムもどっちかといえばしんどそうだから興味もなかった。長い平坦な道を少し速めのスピードで気持ち良くかっ飛ばしてストレス解消できればいいなくらいのノリだった。

しかし、今では、週末は150kmくらいは走りたいし、できれば手応えのある峠を越えたい。これはしばらく乗ってみて初めてわかったロードバイクの目的である。

そして、Giantは、2017年最新モデルのラインナップとして、これまで「TCR」と「DEFY」と分かれていたエントリーモデルを「コンテンド」に一本化した。これは、初心者にとってシンプルで分かりやすい改善点である。

初心者は自分が用意出来る予算に合わせて、完成車のグレードなどを決めればOKである。

GIANT CONTEND(コンテンド)1, 2のスペックとインプレ

まずは、最安値のコンテンド1,2から、これらはロードバイクの形をした自転車だと思って良いだろう。中高生の通学や通勤にいかがだろうか。あくまで足として使うのをお勧めする。

CONTEND1 ¥95,000-

  • SIZE430(XS)、465(S)、500(M)、535(ML)mm
  • WEIGHT 9.4kg(465mm)
  • FRAME A LUXX-Grade Aluminum
  • FORKAdvanced-Grade Composite、Aluminum OverDrive Column
  • DRIVETRAIN SHIMANO SORA
  • CRANK SET SHIMANO SORA Compact
  • BRAKES SHIMANO SORA + TEKTRO R312
  • TIRE GIANT S-R4 700x25C
  • SPEED18 Speed

CONTEND 2 ¥78,000-

  • SIZE430(XS)、465(S)、500(M)、535(ML)mm
  • WEIGHT9.6kg(465mm)
  • FRAME ALUXX-Grade Aluminum
  • FORK Advanced-Grade Composite、Aluminum OverDrive Column
  • DRIVETRAIN SHIMANO CLARIS
  • CRANK SET FSA TEMPO Compact
  • BRAKES SHIMANO CLARIS + TEKTRO R312 with TEKTRO Sub Lever
  • TIRE GIANT S-R4 700x25CSPEED16 Speed

10万円を切るCONTEND(コンテンド)1,2は超初心者向けスペックだ。とりあえず、ロードバイクの形をした自転車に乗りたい人なら良いかもしれないが、今後、ロードバイクを趣味にしていこうと思っている人はやめておいたほうが良いだろう。ポイントは、重さが10kg近いのと、コンポーネントと呼ばれる自転車ではエンジンとなるギア構成が、SORAやCLARISを採用しており、クロスバイクと同じようなスペックである。おそらく長く乗って行くならコンポを変える必要が出てくる。だったら、最初からグレードを上げておいた方が無難である。

GIANT CONTEND(コンテンド) SL1,2のスペックとインプレ

SLがついてよりスポーティな機材・パーツ構成になっている。SL1はコンポが105, SL2はティアグラの仕様となっている。

CONTEND SL1 ¥140,000-

  • SIZE410(XS)、445(S)、480(M)、515(ML)mm
  • WEIGHT 8.7kg(480mm)
  • FRAME ALUXX SL-Grade Aluminum、D-Fuse Composite Seat Pillar
  • FORK Advanced-Grade Composite、Aluminum OverDrive Column
  • DRIVETRAIN SHIMANO 105
  • CRANK SET SHIMANO RS500 Compact
  • BRAKES SHIMANO 105 + TEKTRO R540
  • TIRE GIANT P-SL1 700x25CSPEED22 Speed

CONTEND SL2 ¥115,000-

  • SIZE410(XS)、445(S)、480(M)、515(ML)mm
  • WEIGHT 9.0kg(480mm)
  • FRAME ALUXX SL-Grade Aluminum、D-Fuse Composite Seat Pillar
  • FORK Advanced-Grade Composite、Aluminum OverDrive Column
  • DRIVETRAIN SHIMANO TIAGRA
  • CRANK SET SHIMANO TIAGRA Compact
  • BRAKES SHIMANO TIAGRA + TEKTRO R312
  • TIRE GIANT P-SL1 700x25CSPEED20 Speed

SLはロードバイクのエントリーとして十分なスペックである。予算が許すならば、SL1を選んでほしい。シマノのコンポーネント105で140,000円ならコストパフォーマンスもGOODだ。SL2はティアグラになるので、ギア数が減り、現在のロードバイクの主流の2×11の22変速ではないのが少し物足りなくなる可能性がある。その価格差2万5千円はケチらず払っておくのが良いだろう。

GIANT TCR SLR1,2のスペックとインプレ

超軽量アルミレーシングバイクTCR SLRが全てを一新してフルモデルチェンジ。前作比較でハンドリング剛性+18%、ペダリング剛性+10%、9%軽量になり、「VARIANT」ピラーの採用で快適性も向上した、究極のアルミレーシングバイク

GIANTのオフィシャルサイトでも上記のように自信たっぷりに記載されている。なかなか良さそうである。こればかりは乗ってみないとわからないが期待感は高まる。ではスペックはどうか?

TCR SLR 1 ¥230,000-

  • SIZE425(XS)、445(S)、470(M)、500(ML)mm
  • WEIGHT 7.5kg(470mm)
  • FRAMEALUXX SLR-Grade Aluminum、VARIANT Composite Seat Pillar
  • FORK Advanced-Grade Composite、Full Composite OverDrive 2 Column
  • DRIVETRAIN SHIMANO ULTEGRA
  • CRANK SET SHIMANO ULTEGRA Pro-Compact
  • BRAKES SHIMANO ULTEGRA
  • WHEELS GIANT SL1
  • TIRE GIANT P-SL1 700x25CSPEED22 Speed

TCR SLR 2 ¥165,000-

  • SIZE425(XS)、445(S)、470(M)、500(ML)mm
  • WEIGHT7.9kg(470mm)
  • FRAME ALUXX SLR-Grade Aluminum、VARIANT Composite Seat Pillar
  • FORK Advanced-Grade Composite、Full Composite OverDrive 2 Column
  • DRIVETRAIN SHIMANO 105
  • CRANK SET SHIMANO 105 Compact
  • BRAKES SHIMANO 105
  • TIRE GIANT P-SL1 700x25C SPEED22 Speed

GIANTが自信を持っておくる新型フレームである。軽量化され、剛性も高まっている。アルミロードバイクの反応の良さが期待できそうである。また、シートポストにも工夫がされており、振動吸収性能もアップ、空力も向上しているようだ。

SLR1はULTEGRAで、重量も7.5kgと非常に軽くて素敵。23万円という値段もGIANTのラインナップで見ると高額に感じるが、PINARELLOのGUN SでULTEGRAなら、40万を超えてくるカーボンだが。GIANTならではの格安である。

SLR2は105と初心者にも十分なコンポである。重量も7.9kgだ。それでいて165,000円も値ごろである。

比較として、トレックのDOMANE ALRがコンポが1ランク下のティアグラで169,000円だから、GIANTの方が3万円くらいコスパが良い計算となる。

春先のTREK DOMANE SLRの発表から、トレックは2...

GIANT エントリーロードバイク2017年モデル インプレまとめ

ロードバイクを始める人に初心者としてはTCR SLR2(¥165,000-)をイチオシとしたい。

TCR SLR1のアルテグラも魅力的だが、まずは、105で十分だろう。差額の6万5000円でサイクルウェアやボトルなどのグッズを購入するのが良いと思う。安く抑えれば、なんとか20万以内でロードバイクを趣味として始められるだろう。

もう一つの選択肢としては、CONTEND(コンテンド) SL1 (¥140,000-)が良いかと思う。が、フレームがリニューアルされて良くなっているTCR SLR2との差は¥25,000-なら、上のモデルを買っておきたいところだ。コンポは後から変えられるが、フレームは後から変えられない。

というわけで、GIANT TCR SLR2を初心者のエントリーモデルとしてイチオシしたい。

後は、GIANTのロゴやデザインが気に入るかも確認してほしい。デザインも後から変えられない。趣味としてはまるためには、道具としての美しさは重要である。GIANTのロゴが気に入らなければ、違うメーカーをお勧めする。

散々書いてきたが、スペックよりも価格よりもデザインが最も重要だというのが、私の持論である。最初のロードバイク選びには見ているだけで嬉しいロードバイクを選びましょう。

ロードバイクの用途は、3ヶ月くらい乗ってから決める!

さて、購入後は3ヶ月くらいロードバイクを乗り倒して、自分の目的や好みを知ってから、それに合わせて、ホイールやサドルなどのパーツを少しずつ変更していけば、ロングライドでもレースでもヒルクライムでもこの「TCR SLR2」「コンテンドSL1」で対応していけるだろう。

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