自転車は孤独なスポーツだ。
もちろん、友人と一緒に走る楽しさは無類だ。
だが、都合を合わせて走れる機会もそうそう多くない。
ただ、自分が走りたいときに一人でも走れるし、仲間と走ればもっと楽しい、ロードバイクは万能スポーツだ。
逆に言えば、走りたくないときは走らなくなっちゃう。それもロードバイクのさだめ。
寒い冬や、ちょっと仕事が忙しくて疲れたとき、一人で走るのは面倒だなーと思っているうちに、夜になり、走ればよかったと後悔する週末も多い。
一人走りのモチベーション管理は、好きとは言えども難しいときがありません?
そんなモチベーション管理に最強のアプリがある。「STRAVA」だ。
STRAVA
無料でも十分楽しめる。(有料プレミアム会員 6000円/年)
簡単に行ってしまえば、stravaは「自転車ログ」のアプリ。
自分が走ったルートを地図上に線を引いてくれる。走行時間と距離、そしてカロリーなどの指標も自動的に残してくれる。
そんなアプリはこれまでにもいろいろあったが、「STRAVA」にたどり着いたら、他のアプリはいらなくなった。
サイクルコンピュータは「今」の情報
そもそも、ロードバイクを買うとサイクルコンピュータをつけたくなる。
いわゆる、サイコン。まずこれだけでもモチベーションUPする。
走りながら、そのときのスピードや時間、走った距離を確認でき、1日の終わりに、今日はちょっと早かったな、長く走れたなと実感できる。
CATEYEでも、GARMINでもサイクルコンピュータは、「今」走っている情報を知りたい欲求が起点である。
STRAVAは、「過去」と「未来」を知るアプリ
「STRAVA」は少し視点が違う。
サイクルコンピュータが「今」を知るガジェットならば、Stravaは「過去」と「未来」をつくるアプリだ。
そのために優れている機能は3つある。
- ルート記録
- セグメントランキング
- ゆるいSNS
1.ルート記録。
多摩川サイクリングロードを走った記録。
自転車乗りに最初に欲しい機能はこれだろう。自分の走ったルートとその走行距離、上昇高度、平均時速など、その日のライドが自動的に残る日記帳だ。同じコースも「過去」にさかのぼって確認でき、1ヶ月前より速くなっている自分を知ることができる。
サイクルコンピュータはその日の記録は見れるが、「過去」は見れない。一方でネット上に勝手にログを残してくれる STRAVAはサイクリストたちの日記帳を自動で収集しているようなもの。
GARMINにも同じ機能はあるが、Stravaは無料でも使えるアプリなので、ガーミンは高くてちょっとという人にもおすすめ。
2.セグメント記録
次にSTRAVAを面白くしている機能はセグメント記録だろう。
STRAVAはSNSでもある。
世界中のマップにサイクリストたちが作成したセグメントという区間が多数登録されている。
そのセグメントと同じルートをたまたま走ると、自動的にそのセグメントでの自分のLap timeをStravaは残してくれる。セグメントを意識する必要はまったくない。自転車乗りがいるところを走ればそこにセグメントはあって、あとで確認すると自動で記録が残っている。
同じコースを何度も走ると、過去の自分の記録をすべて、自動的に並べて比較してくれる。
こんな感じだ。
さらに、SNSらしく、他人の記録も見れてしまうのだ。もちろん世の中速い人が多くてがっかりする。
それでも自分が全体ランキングの何位なのか知ることはまだまだ速くなれる!というモチベーションアップにつながる。
STRAVAでなければ、こんな情報はなかなか手に入らない。このコースはどのくらいで走ると速いのか、身近なローディたちに聞いても、よっぽど有名なヤビツ峠みたいなコースでなければ、きっと曖昧な返答が返ってくるだろう。ネットにつながるデータベース構造だからこそできた新しい価値である。
この機能は、特に「脳」に効く。他人とのランキングも楽しいが、なかなか勝てない。しかし、過去の自分には結構勝てる。過去の自分とこれほど明らかな勝負を実現させてくれる世界はSTRAVAだからこそのものだ。
そして、自転車は乗れば乗るほど、少しずつだが速くなる通説も実感することができ、さらに走る気になるし、退屈になりがちな同じコースも、自分への再チャレンジレースにStravaは変えてしまうのである。
たった1秒でも速くなると嬉しいし、今日はこのセグメントだけは頑張ろうなんて工夫ができるのも嬉しい。
3.ゆるいSNS 未来を作る
最後にセグメントランキングなどを見ていると、自分と同じくらいのタイムの人が気になってくる。
そんなときその人のアイコンをクリックするとその人のルート履歴をみることができる。
多摩川サイクリングを抜けて青梅までいってるなーとか。
元々セグメントでルートが被っている人だから、近辺がテリトリーなので、とてもルート設定の参考になる。自分が知らないルートを走っていたり、ちょっとした登り坂ポイントや自転車専用ルート、抜け道なども見つけることができる。
人のルートを見ていると楽しくて、あっという間に時間が過ぎてしまう。そのうち、いつか自分が走ってみたいルートが自然とできあがってくる。
こうやって、自分の未来を作ってくれるのだ。
STRAVAを使えば、過去、今、未来が一直線につながり、ロードバイクによりどハマりしていく。
まさに真打ちのアプリだと思う。
極端な話、ロードバイクは「脳」のスポーツと言えるだろう。
走り出した自転車を止めるのはいつでも自分であり、自分の「脳」がストップのシグナルを出す。もちろん体力の限界もあるが、その前に「脳」が音を上げてしまうことは多い。
そして、たった一人で走りだす面倒くささを霧消して、新しいコースもお馴染みのコースも「脳」にモチベーションを作り、走りたくなるアプリ、それがSTRAVAのすごいところだ。
最後に2016佐渡島ロングライド210に向けて決意のロングライド、おとといの孤独ツールド奥多摩ヒルクライムのログを。
12.7kmのヒルクライムは未体験ゾーン。膝が壊れるかと思った。
結果、「東京都で一番高い道路」風張峠を無事通過しました。
この高低差もログにちゃんと残ります。
鋭角差が辛さを表現してます。
ただ終わってみればといい思い出。あんなに辛かったのにもう一度登りたいと思うから不思議なものだ。。
Route92