脱初心者に向けて、カーボンディープリムホイールの購入を検討し始めて、早1年強と長い。
脚力も人並みになってきたので、剛性の高いホイールでもなんとか乗りこなせるようになる準備期間もありますが、最も大きな理由は価格。最低でも20万円するカーボンホイールはおいそれと買える金額ではありません。納得がいくまで本を読んだり、ネットで調べたり、人様の履いてるホイールを物欲しそうに眺めたりしているうちにあっという間に1年が経っていました。
まぁ、大きな買い物は検討している時間も楽しいものです。
さて、今回はそんなカーボンディープリムホイールの候補のうちの一つ、Fulcrum SPEED40Cについて、様々な文献やインプレ記事などの情報から、自分への備忘録を兼ねて、有益な情報をまとめて紹介していきます。
「フルクラムスピード40C」が有力候補である理由
ロードバイクに乗り始めて、最初に買った高級機材の一つがホイール「フルクラムレーシングゼロ」でした。
完成車付属品のいわゆる鉄下駄ホイールから、高性能アルミホイールの中でも評価の高い「フルクラムレーシングゼロ」に換装したときの走りの変化はまさに感動しました。剛性が高まったホイールはペダリングのタイミングに合わせてグイグイ前へ推進して、自分が自転車を走らせているんだと感じさせてくれました。
あれから2年。あのとき感じた「ホイール」による走りの変化。あの楽しみをもう一度味わいたい!
そして、高性能アルミホイールからのステップアップならば、カーボンディープリムホイールしかない。
そんなホイールの楽しさを教えてくれた「フルクラムレーシングゼロ」の系統であるカーボンホイール「Fulcrum – SPEED 40C」が有力候補の一つになるのは私にとってはとても自然な流れでした。
カーボンディープリムホイールに期待する3つのこと
フルクラムスピード40Cのリムハイトは40mm。ディープリムホイールとしては中くらいです。
鉄下駄から高性能アルミにしたときは、まず軽量化。そして、長距離を楽しく走れる。割とエンジョイな理由がメインでした。
しかし歴も2年を超え、カーボンディープリムホイールにするなら、より本格派な速さを求めたいと考えています。
- 高速域での安定した走り
- 登坂でも加速したい
- 見た目のかっこよさ
まず、ディープリムで「空力性能」が良く「高速巡航性」が高まるのは容易に想像がつきます。
そして、リム幅が高く鳴ることで剛性も高まるメリットを持つホイールもあるため「登坂力」の性能アップを測りたいです。
そして、本格レースを意識しているといいつつ、最後に「見た目のかっこよさ」を入れてしまう私の底の浅さが見え隠れしてしまいましたが、ホイールを変えると「見た目」もガラッと変わるので、せっかく買うなら本体とホイールのバランスも含めたカッコよさを押さえておくべきであるはず!というのは私の持論です。
ホイール性能を比較するための7項目
ロードバイク雑誌、ホイール特集本、書籍の3つを参照すると、ホイールは共通して以下の7つポイントで評価されている。
- 低速加速
- 高速加速
- 登坂性
- 巡航性
- 制動力
- 快適性
- ハンドリング(操作性)
これらの項目の内容については、ロードバイク本音のホイール論に詳細が記載されているので参照してください。
これらの中で少し違いがわかりづらい、1.低速加速、2.高速加速、3.登坂性の3つを補足説明します。
低速加速は「走り出しの軽さ」のことで、剛性よりも「外周部(リム)の軽さ」が重要です。
高速加速は「高速からのさらなる加速(スプリント)」のことで、よりパワーが必要な高速での加速は、重量よりも「剛性の高さ」が重要となります。
登坂性は「低速からの高パワーで加速する登坂」のことで、上記2つの特色を併せ持つ必要があり、リムが軽く、かつ、ホイール全体の剛性が高いバランスの良さが必要になります。
以上を踏まえて、早速、フルクラムスピード40Cについてまとめていきたいと思います。
フルクラムスピード40Cのスペック・インプレ評価は?
フルクラムスピード40Cの評価
- 低速加速 75
- 高速加速 75
- 登坂性 70
- 巡航性 80
- 制動力 75
- 快適性 60
- 操作性 70
ロードバイクホイール徹底インプレッション2018のインプレ記事の吉田司さんの7項目評価点です。
加速性能、巡航性能も高評価で、後述するAC3による制動力も高くなっているようです。最も低く出るのが快適性で、加速性能を生み出す高い剛性とトレードオフになるのは、やはり乗り心地ですね。ただ乗り心地はロードバイクにある程度慣れてくるとあまり気にならないのでこのクラスのホイールを買うときは考慮しなくてもいいのではないかと思います。
乗り味のインプレッションは以下のように記載されています。
その走りは、キレキレの加速感とペダリングの楽しさを両立した性能が見事だ。一体感の強い剛性によって分厚いペダルの踏み心地だが、その中にもわずかな踏みしろ(逃がし)が感じられる。したがって脚へのストレスが抑えられ、高負荷ペダリングが気持ちよく維持できる。低速時の出足も軽いが、特に中・高速域での加速・反応性の鋭さは珠玉の出来だ。
これを読むと「ペダリングが楽しそう。」という印象を受けますね。
最新2018年モデルの3つの変更点
フルクラムスピード40Cは2018年モデルでは結構大きなコンセプト変更がありました。
- ブレーキ制動面にAC3を搭載して雨天時などでも制動力が高い。
- リムのカーボンが2つ織になり横剛性・縦剛性ともに高められた。
- フロントハブ胴がアルミからカーボンに変更
以上3点の改良が加えられて、前年のモデルFulcrum – SPEED 40C (2017)から2018年モデルは定価が242,000円(税抜)から、336,000円(税抜)と9万円も高い設定になりました。高い!
SPEED40のクリンチャーホイールが、去年までの中級カーボンホイールという位置付けから、高級カーボンホイールへ大きくポジション変更したのだと思います。(2017年までは、SPEED40チューブラーホイールが高級ホイールの位置付けだったようです。)
スペックと価格
スペック
リム素材 | カーボン |
リム高 | 40mm |
リム幅 | 24.2mm |
スポーク素材 | スチール |
ハブ素材 | フロント/カーボン、リア/アルミ |
参考重量 | 前後合わせて1420g |
ベアリング | USBセラミックベアリング |
価格
336,000円(税抜)
wiggleでもまだ30万円程度とまだ高値どまり。
とYahoo!ショッピングもチェックしてみると、27万円の販売価格を見つけました。(2018/2/18現在)
国内の方が頑張っていますね。※2017年モデルもまだ市場に出ているので、2018年モデルと間違えないようにチェックしてください。
Bora Ultraクリンチャーホイールとの価格比較
有力候補の中でも基準となるBora Ultra 35CやBora Ultra 50Cとの実売価格をwiggleで比較すると、流通数が多いBoraの方が安いですね。
BORA Ultra 35C 2018(wiggle) ¥247,632
BORA Ultra 50C 2018(wiggle) ¥260,665
定価はボーラウルトラは¥404,000なので、割安感もあってコスパを考えるとボーラウルトラの方がいいです。
さらに、中級カーボンホイールBORA ONEボーラワンの価格も並べてみます。
BORA ONE 35C 2018 (wiggle) ¥195,498
BORA ONE 50C 2018 (wiggle) ¥188,721
ボーラワンは、ハブがUSBになった廉価版ですが、インプレ記事を色々読んでるとウルトラとほとんど差がないという意見も多く、時には評価がボーラワンの方が良いと逆転している場合もあるくらいのカーボンディープリムホイールを買うならまずこれじゃないか?と最有力候補ホイールです。
フルクラムスピード40Cに話を戻すと、現状の市場価格はボーラシリーズに比べて圧倒的にコスパが悪く見えます。
ただ、高速巡航とヒルクライム時のリムの軽さを考えると、リムハイトはボーラの35mm、50mmよりも、40mmのフルクラムスピードの方が目的には合致している気もしています。
ボーラシリーズのホイールを買うことを想定すると35mmか50mmでかなり悩みそうです。せっかくだから50mmを選びそうですが。。。
フルクラムスピード40Cとボーラウルトラ35C / 50Cの評価比較
ホイール評価の7項目の点数を単純に比較すると以下になります。
スピード40C | ウルトラ35C | ウルトラ50C | |
低速加速 | 75 | 70 | 70 |
高速加速 | 75 | 65 | 75 |
登坂性 | 70 | 72.5 | 67.5 |
巡航性 | 80 | 67.5 | 77.5 |
制動力 | 75 | 80 | 80 |
快適性 | 60 | 70 | 65 |
操作性 | 70 | 72.5 | 60 |
いずれもインプレライダー吉本司さんの評価
意外とフルクラムスピード40の評価が高く、高速域での加速と登坂性、巡航性と私の重視している部分では買っています。
やはり快適性はボーラウルトラの方が良さそうです。ボーラワンでもウルトラと傾向が同じだとすれば、ボーラワン50Cとフルクラムスピード40Cで悩みます。
フルクラムスピード55Cのスペック・インプレ評価は?
さらにフルクラムスピードには、リムハイトがさらに高い55mmのホイールもあるのでそちらもチェックしておきます。
2018年からは、クリンチャーホイールとして新登場したのがフルクラムスピード55cです。
フルクラムスピード55Cの評価と価格
まだ、7項目のインプレ評価記事はありません。
基本的にはリムハイトが55mmに変わっているだけで他のスペックは40cと変わりません。重量も50gほど重い程度です。
位置付けとしては、平地での高速巡航により特化したホイールで、タイムトライアルやトライアスロンなどの限られたシチュエーションを想定するライダーが購入するホイールというイメージなのでロードレースやロングライド用としては私の候補の中には入れていません。
リム素材 | カーボン |
リム高 | 55mm |
リム幅 | 24.2mm |
スポーク素材 | スチール |
ハブ素材 | フロント/カーボン、リア/アルミ |
参考重量 | 前後合わせて1470g |
ベアリング | USBセラミックベアリング |
価格:336,000円(税抜)
40Cと同様にwiggleよりもyahoo!ショッピングの方が現時点では安い市場価格で出回っています。
フルクラムスピード40C検討・インプレまとめ
フルクラムスピード40Cは、高速加速、登坂性、巡航性の評価では、ライバル候補のボーラウルトラ50C と同格です。実売価格では、ボーラウルトラ50C やボーラワン50C がかなりリーズナブルで、フルクラムスピード40Cはまだ割高感があります。
現時点では、コスパを考えるとフルクラムスピードは厳しい選択ですが、今後価格が落ち着き、20万円程度までになってくれれば、最有力候補の一つに急浮上してきそうです。価格がこのままだとやはり割安感のあるボーラワン50Cが第一候補ですかね。加えてZIPPやマヴィックなど他のホイールも検討してみたいと思っています。
参考文献
今回の記事で参考にした本は以下の3つ。他にもサイトやショップなどで得た情報もまとめています。
こちらの本の詳細は以下の記事にまとめています。
雑誌「ロードバイクホイール徹底インプレッション2018」の内容とレビューまとめ