ロードバイクを購入してしばらくは、近くのサイクリングロードを走ったり、山や海を目指して走っているだけで楽しい。
しかし、ロードバイク購入後数ヶ月もすると、新しい場所を走りたくなってくるだろう。
ロードバイクの素晴らしいところは、「移動」、それ自体が楽しいことだ。
しかし、だからこそ、移動する場所がずっと同じだと飽きてしまうのは否めない。そうして人はより遠くを目指して、自転車を刈るようになっていくのだ。
しかし、自宅をベースにしていると1日でいける場所は限られてくる。仮に1日160km走るとしても、片道80kmまでが限界だ。
渋谷駅を中心に80km半径の円を描くと以下のようになる。
千葉は房総半島南端まで、埼玉は秩父、神奈川の熱海までが圏内になる。実際は、直線でいけるわけではないので、もう少し長くなる。
ロングライドと考えれば、結構な距離までもちろんいけるのだが、自宅付近から40kmはいつもと同じ風景で実際は、飽きてしまう。
さらに全国各地の自転車峠の情報が入ってくると、そこに行きたくなる。そうすると自宅から走っていくのはちょっと厳しくなってくる。
そんな時にいよいよ必要に駆られて、誰しも覚えるのが「輪行」だ。
輪行とは?
自転車を公共交通機関(鉄道~船~飛行機など)を利用して運ぶこと。
主に旅行の時に活用するが、日帰りでも目当ての峠が家から遠い場合には、電車で峠付近まで行って、峠を楽しみ、帰りも電車で帰るということももちろんOK。特に峠だけを楽しみたい時は、数十キロの平坦路がちょっと億劫になるので、行きか、帰りのどちらかを輪行すると時間短縮にもなるし、峠の走りに集中できるのでオススメだ。
公共交通機関を利用せずに車に積んだりするのは、輪行ではない。
この輪行を覚えると一気に世界が広がる。
ロードバイクに乗るまで、全く知らなかった土地に行けるし、行きたくなる。さらに、これまでに行ったことある場所でも、ロードバイクに乗っていくと、これまでの印象とは全く違った魅力を感じる。
例えば、江ノ島から鎌倉までの海岸線沿いや、奥多摩、京都など、これまで何度も車などで行ったことがあったが、ロードバイクで走ると五感を全て使って、よりリアルにその街を体感することができるのだ。
こうして、ロードバイク乗りは「輪行」という武器を駆使して、四季折々に全国各地へ旅に出て、お気に入りの峠や、新しい道を走るのだ。さらに進化すれば、海外へ。ツールドフランスのあの峠やハワイのビーチサイドをぐるっと走ったりするのだ。
そんな無限の可能性を持つ「輪行」では、専用の輪行袋を使用する。今回は、利用する交通機関に合わせて、おすすめの輪行袋を紹介する。
ロードバイク初心者におすすめの輪行袋ガイド
公共交通機関で近距離の場合なら鉄道がメイン。沖縄などでは離島へのフェリーなど。遠距離になると飛行機となる。それぞれ、輪行袋の選び方が異なるので、2つに分けて紹介する。
鉄道(船・フェリー)輪行編
近距離の鉄道の場合は、基本的に輪行袋に自転車を入れた後は、駅の改札から列車まで自分で運ぶことになる。列車に乗っている間も基本的に自分の目の届く範囲に置いておくので、薄手の薄手の輪行袋で問題ない。
定番中の定番が、オーストリッチの輪行袋。
輪行袋の種類の差は、大きさ、重さ、生地の強さである。
中でも平均的なのが、私も持っているロード320だ
これよりも強度を重視した場合は、ロード520。生地が厚く堅牢さが売りとなる。強者はこれで飛行機輪行もするようだ。しかし、生地が厚くなった分、かさばるため大きく、重くなる。
鉄道シーンでは、自分で持ち運ぶ前提なので、輪行袋は軽ければ軽いほど、小さければ小さいほど良い。そこで私が最もおすすめするのが、オーストリッチ最小、最軽量のSL100だ。
生地が薄くなり、強度は最強というわけではないが、鉄道などのシーンでは自分の管理下に置いているので、それほど強度は重要ではない。半年ほど使用しているが今の所全く問題ない。
やはり大きな魅力はその小ささ。ロード320と比較すると長さも直径も60%まで、かなり小さい。左が320で右がSL100。
よくあるタバコと並べた大きさ写真だと以下のような感じ。
タバコ1.7個分の長さとかなり小さい。
高さもタバコとほぼ変わらない。
輪行袋の落とし穴は、自転車を入れている時は全く気にならないのだが、いざ現地に到着して自転車を出した後に、輪行袋はただの荷物になることだ。ロードバイクにくくりつけていても大きいとダンシングの旅にぶらぶらする。
さらに旅となると、重要なのはどれだけ小さくまとめるられるかが勝負だ。大きなリュックやバッグをつけて走るといつも以上に走れなくなる。できる限り無駄な荷物は減らしたい。そこで、輪行袋は最小、最軽量のSL100がおすすめだ。
輪行袋以外に必要なもの
輪行袋にロードバイクを入れるときには、大事なフレームを補強するために以下のグッズを使用した方が良い。
・エンド金具
ホイールを外したフレームの部分につける金具。前輪後輪で違う金具になる。
・チェーンカバー、スプロケカバー
飛行機輪行編
飛行機の場合だが、鉄道と違って一番重要になるのは、その強度である。
まず、機内持ち込みができず受託手荷物扱いとなるため、適当に扱われたり、何かが上に乗せられる可能性がある。大事な愛車をしっかりとガードしてくれる輪行袋が必要となる。
まぁ国内線であれば、きちんと運んで、到着したら手渡ししてくれるので、まず大丈夫だが、念には念を入れてクッション性の高い輪行袋をお勧めする。
はっきり言って大きくて重いが、ソフトケースなりにきちんとクッション性がある。また、このほかのハードケースなどと比べても取り回しがしやすく宅配便の送り状を入れるポケットなどもあるので、国内旅行レベルならOS500がおすすめだ。
中にはホイール用のポケットも2つあるので、ホイールとフレームが重なって傷つくことがないような作りになっている。
実際にこの輪行袋に自転車を入れて預けたときの写真。
1つ注意だが、この飛行機用の輪行バッグではフレームサイズによってペダルを外す必要がある。ペダルレンチを持っていくことをお勧めする。
飛行機用輪行バッグは飛行場まで宅急便で送る作戦がオススメだ。そのついでに旅の荷物と一緒にペダルレンチも一緒に送った方が良いだろう。
(参考)実際に飛行機輪行したときのブログ
海外・飛行機輪行編
まだ、私は未経験だが、いつかは海外へロードバイクを持って旅に出たい。
海外遠征などで、プロロードレーサーも使用している輪行バッグで有名なものが、シーコンエアロコンフォート2.0だ。
- 寸法:長さ 118cm x 奥行き 25cm x 高さ 90cm
- 重さ:8.9kg
しかし、シーコンはサイズも大きく、重量もなかなか。飛行機の受託手荷物は、サイズと重さが以外と厳しい。シーコンもOS-500などの飛行機輪行バッグはその条件に当てはまるか、調べてみた。
JAL,ANA国際線大手2社の受託手荷物について
日本から最初に使う国際線の大手2社について調べてみた。
受託手荷物について(JAL国際線)
お預かりする手荷物について(ANA国際線)
無料サイズ・重さ
無料で受託してくれる手荷物サイズ・重さは以下の通り、ANAの方が厳しいが、いずれにせよシーコンは超過サイズとなってしまう。
- JAL 3辺合計203cm以下、23kg以下2つまで
- ANA 3辺合計 158cm以下、23kg以下2つまで
シーコンの重量は、本体8.9kg。それにロードバイクの重量が10kg程度だろう。さらにウェアや備品を入れても、なんとか制限の23kgは超えずに済みそうだ。
問題は、やはり3辺のサイズオーバーである。OS-500もシーコンも明らかにサイズオーバーとなる。
しかし、沖縄旅行のANA国内線では追加料金は取られなかった。
利用したOS-500は3辺合計238cmとサイズオーバーしているはずなのだが、重量がオーバーしていないので、大目に見てくれたのかもしれない。
このブログでは実際にシーコンで沖縄まで旅行している人もいるので問題ないのかもしれない。
超過手荷物料金
サイズ・重量オーバー時の追加料金は以下の通り。
- ANA サイズ超過 158cm超~292cm以下 二万円
- JAL 203cm以上。アメリカ、ヨーロッパ2万円、アジア、オセアニア1万円
もし、超過料金が取られる場合は、2万円になるようだ。往復を考えるとなかなかの出費となってしまう。
ANAのスポーツ用品専用ルール発見
超過料金にビクビクしている私だったが、ANAのホームページをくまなく見ていると、スポーツ用品等の専用ページを発見した!
そのページによれば、サイズ条件は緩和されている。
【2015年11月25日以降発券分から】
サイズ | 適用内容 |
---|---|
158cm(62in.)超~292cm(115in.)以下 | サイズ超過料金の適用なし 機材・路線による制限が適用 (*1) |
292cm(115in.)超 | 受託不可 |
(*1)機材・路線による制限
機材・路線による制限を見ると、おおよそ、250cm以下なら受託出来るし、サイズ超過料金の適用なしとなっている。
国内線で超過料金がかからなかったのは、このスポーツ用品条件が適用されたからだ。
つまり、ANAであれば、少なくとも日本からの往復便では、大きいエアバスを使用するのでOS500でもシーコンエアロコンフォートでも超過料金はかからないことがわかった。
残念ながらJALにはそのような特例の記載はない。JALには直接聞いてみた方が良いかもしれない。
私はANA派なので、海外デビューは1年以内には目指したい。
しかし、理想はロードレースの本場、ツールドフランスやクラシックレースの街を走ることなので、ヨーロッパ国内の移動での飛行機移動の荷物制限が気になってしまう。その場合は、ロードバイクで移動し続ける、もしくはレンタカーで転々とするイメージだろうか。
前述したが、輪行袋は、自転車を運ばない時は邪魔でしかないことだ。
飛行機を降りた後、シーコンのバッグはどうすれば良いのか。。。
空港などに預け続けられれば、出入国の空港を一緒にすれば解決するかもしれない。
誰か海外自転車旅の達人にレクシャーしてもらいたい。。。
ロードバイクシーン別おすすめ輪行袋まとめ
鉄道(船・フェリー)は大きさ・軽量性重視で、SL100
飛行機・国内編 飛行機輪行バッグOS-500
飛行機・海外編
OS-500でも問題ないかもしれないが、さらに頑強なシーコンを選択肢に入れても良いかもしれない。
- 寸法:長さ 118cm x 奥行き 25cm x 高さ 90cm
- 重さ:8.9kg
飛行機の大きさによってはNGになる可能性がありそうなので、事前に使用できるか確認した方が良い。特にフランスからイタリアなどヨーロッパ内の短距離移動に飛行機を使うことを想定しているなどのケースは注意が必要だ。