言わずと知れた自転車メーカー・ブリジストンのロードバイクブランド「アンカー」
ロードバイクを買おうと思うとどうしても本場と伝統ヨーロッパメーカーや、新進の合理的アメリカ系メーカーなどを選びがちだが、日本人たるものニッポンの自転車メーカーも選択肢の一つとして検討してもいいだろう。ブリジストンのアンカーであれば、日本メーカーならではのきめ細やかなサービスとフィッティングが重要なスポーツバイクだからこそ、西洋人ではなく、日本人を含むアジア人の体型に合わせたジオメトリーのフレーム設計、サイジングのバイクを提供してくれる。
話は変わるが、ロードバイクメーカーのバイクをいくつも調べているうちに本当にバイクメーカーの自転車シリーズの命名方法がいまいちだと思う。バイクの性能とイメージを広げてくれるシリーズ名であれば、カスタマーも覚えやすいし、選びやすいのだが、なかなかそういうブランドが少ない。
ブリジストン・アンカーのロードバイクも他のメーカー同様コードネームのようなシリーズ名を採用している。簡単に整理すると、RL, RS,それに数字を組み合わせて、グレードに合わせてELITE,EQUIPE,EPSEなどの名前が組み合わせられる。
この辺りを今後は改善して、ぜひヨーロッパメーカーに負けないブランドイメージを作り上げて世界中へバイクを供給する日本メーカーになっていってほしいと思う。台湾メーカーのGiant(ジャイアント)があれだけ成功しているのだから、ブリジストンもHONDAなどと提携してヨーロッパのバイクファンに向けた自転車を作るというのもアリだと思うのだが。
ブリジストン アンカーのロードバイク2017年モデル
ブリジストンもTTバイクやクロモリ製のバイクを供給しているが、今回は初心者向けのロードバイクとして、以下の条件でピックアップして紹介する。
- 価格 15万円以上、30万円以下
- 完成車でコンポが105以上
- 長く乗り続けられるバランスの良いモデル
RSシリーズとRLシリースの違い
まず、RSシリーズと、RLシリーズの違いについて整理する。
RS9
RSのSはおそらくスポーツ。RSはレース志向のロードバイクである。
ペダリングの力を可能な限り効率よく推進力に変えるようにフレーム設計と、フレーム素材を開発して作られているのが、RSシリーズだ。
最上位モデルとされるRS9は、ブリヂストン 中央研究所と共同で開発され、車体が前に進む性能を最大化するアンカー独自の最新解析技術『PROFORMAT』を用いて開発された最新レーシングロード。その解析技術とこれまでよりはるかに高い弾性率を誇るカーボン素材を使用することで「進む性能を最大限に高め、大幅な軽量化」を実現している。
- 価格:780,000円(税抜)
- コンポ:DURA-ACE R9100
- ホイール:FULCRUM Racing ZERO
- 重量:7.1kg(ペダル付)
フレームセットは35万円。
> RS9
RS9は、プロのためのレース向けフレームとしては安価であるが、初心者向けとしては少しオーバースペックだ。そこで、初心者向けにはナンバーを1つ落としてRS8から1台をお勧めした。
RS8 EQUIPE
カーボンのグレードは落ちているが、フレーム設計は1モデル前なので遜色もなく、テーパードヘッド、プレスフィットBBなど、最先端の構造を搭載。鋭い加速のための構造性とともに、快適性と耐久性もバランスが取れている。コンポーネントにはシマノ・105を搭載し、価格を抑えたコスパのモデルになっている。
- 価格:255,000円(税抜)
- コンポ:105
- ホイール:SHIMANO WH-RS11
- 重量:8.5kg(ペダル付)
RL9
RLのLはLONG RIDEのL。近年のスポーツバイクで主流となっているロングライドのニーズに応えるために、乗り心地にこだわるフレーム設計と素材を開発し、より心地よく、より遠くへと進むロングライドマシンとしてRLシリーズを提供している。
特に2017年の最新モデルであるRL9は、700×25cのタイヤが標準装備、クリアランスに余裕があるので28cサイズの太いタイヤも取り付けることが可能だ。自分の乗り方に合わせてタイヤやホイールを変えていけば、超ロングライド旅乗りバイクにも、長い距離を高速で走るロングライドイベント仕様にもすることができるだろう。
ハイエンドの完成車はRL9の無印。
- 価格:620,000円(税抜)
- コンポ:DURA-ACE R9100
- ホイール:FULCRUM Racing ZERO
- 重量:7.1kg(ペダル付)
デュラエースに降るクラムレーシングゼロのホイール。このパーツ構成を考えると62万円もそれほど高くないかもしれない。もともとフレームセットだけなら22万円と非常に安い。
> RL9
初心者であれば、これより、グレードを下げてEQUIPEのグレードはギリギリありだと思う。
- 価格:310,000円(税抜)
- コンポ:105
- ホイール:SHIMANO WH RS010
- 重量:8.1kg(ペダル付)
フレームは全く一緒なので、ホイールやコンポなどのパーツが異なるだけだ。フレームが22万円なので、9万円でパーツを組んでいるわけだ。まぁ妥当だ。30万を少し超えるが許容とする。
COLOR ORDER SYSTEM
アンカーのモデルには、カラーオーダーシステムに対応しているフレームが多くある。このカラーオーダーシステムを利用すれば、33色の単色フレームカラーから好きな色を選び、ロゴも3色の中から選び、表面の仕上げもツヤ、ツヤ消し、中間の3種から選べる。
しかも料金が一部を除き+0円で選べるのでお得だ。
フロントフォークの同色塗装でも +¥3,800(税抜き)とそれほどかからない。
※バーテープ、ロゴの色まで選べる。
まさに自分だけのバイクを作り上げられるシステムが無料というのが素晴らしい。
他のメーカー、トレックなどにも同様のシステムがあるが、数万円かかることが多いので、これは日本メーカーならではのきめ細やかなサービスである。
今回紹介したモデルは全てこのシステムに対応しているので、自分ならではの色を作り込むのは、初心者に必要な道具への愛着を演出してくれる。週末にマイバイクを乗るのが楽しくてたまらない。そんな趣味として最高レベルのモチベーションを保つのに最適なシステムである。
乗った後はもちろんピカピカに磨くのが良いだろう。
アンカー ロードバイク2017年モデルまとめ
初心者にぴったりのロードバイクとして高性能のものをピックアップすると、EQUIPEモデルがお勧めだ。レース仕様とロングライド仕様にするかは、自分なりの目的に合わせて選べば良いだろう。
個人的には、ロングライドに特化したモデルよりは、RS8 EQUIPEの方をお勧めする。初心者の頃は、ロングライド仕様でゆっくりまったり乗ればいいよ、ヒルクライムなんて行かないし、なんて思っていても、ロードバイクに乗り続けていると、いろいろなところにどんどん行きたくなってくる。私も坂なんてキツイだけで楽しくないから山なんて登らないさ!平坦な道を遠くまで早く行けるだけでいいよ。なんて思っていたが、今では、坂がないとつまらないな。アップダウンがあって、平坦も組み合わさった走っていて気持ちいい道どこかないかな
とだいぶ好みが変わってしまった。
だからこそ、初心者にはあまり用途を限定したバイクをお勧めしない。特別な機能や思想のフレームではなく、ロードレースに使える汎用性の高いバイクをお勧めする。
そして数ヶ月乗っているうちに自分の走りたい方向性が見つかってきたら、ホイールやタイヤなどのパーツで自分好みのバイクにある程度変えていくことで自分の走りを作っていくのがロードバイクの楽しみ方として最適だろう。
RS8 EQUIPE
RL9 EQUIPE
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