自転車とキャンプをかけ算すると、世界が一気に広がります。
日中は遠くまで走り、日が暮れる頃にはキャンプ場にたどり着いて、焚き火を囲んで自然を楽しむ。そしてまた次の日は違う場所を目指す。
この繰り返しで、どこまでも行けてしまうからだ。
しかも、割と簡単に始められるのもキャンプのいいところ。特に最近はバイクパッキング用の自転車バッグが充実しているので、普通のロードバイクでも最低限のキャンプ道具を積載できる。最近人気のグラベルロードならば、よりたくさんのこだわりアイテムも持っていけるので、ソロキャンなら普通のキャンパーと遜色ないクオリティでキャンプできます。
かくいう私は、昨年グラベル購入にあわせて、キャンプデビューをし、長期休暇を利用して、富士山の周りをキャンプしながら一周する自転車キャンプ旅を実現しました。
4日間で約500kmほどの行程でしたが、都内から山道を抜け、富士五湖を巡り、最後は伊豆まで、景色が毎日変わるロングライドは、これまでのロングライドでは味わえない至極の体験で、自転車を降りてからも楽しめるキャンプの世界にも一気にハマりました。
自転車用のキャンプ道具選びの重要ポイントは「軽量」と「コンパクト(携帯性)」を兼ね備えることに尽きます。
今回は自転車キャンプに必要なキャンプ道具の中からおすすめの「テント」を厳選して紹介します。
自転車キャンプの「テント」を選ぶポイント1:軽量
自転車に積載できる荷物には限界があります。
そして、「走る」ことが前提なので、軽ければ軽いほど快適な自転車旅になるでしょう。
そこで、自転車キャンプ用テントの重量の目安として、1kg前後がオススメです。
ソロキャンプならば、この重量でもラインナップは豊富にあるので、デザインも自分の好みに合わせて選べるからです。
登山用のテントで主流のウルトラライトと呼称されるテントは、特に軽量性を重視しているので自転車キャンプにもオススメです。
自転車キャンプの「テント」を選ぶポイント2:コンパクト(携帯性)
軽量なテントを選んだあとは、その収納時の形状やサイズもチェックしましょう。
自転車用のサドルバックやフレームバックなどに積載できる形であるか、サイズは走行時に邪魔にならないかが重要です。
収納時は円筒状になるテントが多いので、その容積が小さいほど積載力が高く、走行時も邪魔になりません。
テントの種類の基礎知識
テントには大きく分けて2種類あります。
①自立式テント
テントの中に骨組となるポールを入れるタイプ。
誰が設営しても綺麗なテントの形になるので、初心者でも設営がカンタンなのが特徴。
固定しないと風で飛ばされてしまうので、テントの4つの角はペグダウンしましょう。
デメリットは、ポールが多いと重くなってしまう。
②非自立式テント
テントらしい三角のシルエットのテント。
テント中央のポール一本とガイライン(張り綱)でテントを設営するのでややコツを覚える必要があります。
ただ、ポールが一本なので、重量が軽くなるメリットがあります。
デメリットは、設営の難易度が少しある点。
風が吹いてるとちょっと苦労します。
ただ、自立式・非自立式についてはあまり気にしなくて良いと思います。
テントの設営は、そのうち誰でもできるようになるし、手間もほとんど変わりません。
自立式じゃないと難しいシチュエーションは、都市部を走って日本一周する場合など。
どこかの駐車場を借りてコンクリート上にテントを設営する都市型キャンプ旅を想定する場合です。
ペグダウンが必要な非自立式は土のない場所では設営しづらいです。(石などに紐をくくるなど方法はありますが)
最近はソロキャンプも流行っているので、自転車向きの軽くて、コンパクトなテントの種類もたくさんあります。
だから、最後の決め手は「デザイン」です。
自分好みの形、色のテントを選ぶことが何より重要です。
三角テントをイメージするなら、非自立式を。その他色々なデザインから選びたいなら自立式から探してみると自分好みのテントを探しやすいでしょう。
自転車キャンプにおすすめのテント6選
おすすめテント1:[NEMO(ニーモ)] TANI(タニ)2P (自立式)
- サイズ:L 220cm x W 130cm x H 104cm
- 収納サイズ:29cm x 20cm × 16cm
- 重量:1.18kg
- 価格:57,000円(税抜)
自立式テントの中で、軽さとコンパクトさでかなりの高スペック。
フライシートとインナーテントの2枚で構成されるダブルウォールテントです。
外側のフライシートは防水素材で雨を防いでくれて、インナーテントと隙間を作り、体温などの水蒸気を外へ逃がしてくれるので、朝など結露がしにくい構造です。
フライシートが外に張り出していて、ちょっとしたスペース(前室)があるので、雨や汚れたものは外に置いて置くなど使い勝手が良いテントです。
2Pは1〜2人用サイズで、さらに小さい1Pもありますが、重量も100gほどしか減らないので、室内のスペースが大きくなり寝る場所と荷物を置く場所を確保できる2Pの方をおすすめします。
おすすめテント2:[ARAI TENT(アライテント)]トレックライズ1
- サイズ:L210cm×W110cm×H105cm
- 収納サイズ:30cm×14cm
- 重量:1.46kg
- 価格:42,200円(税抜)
登山用テントとして定番の人気のアライテント・トレックライズ1。
やや重量が増えますが、やや安く買いやすい価格。
もちろん、ダブルウォールテントで、前室もあります。
おすすめテント3:[MSR(エムエスアール)]カーボンリフレックス2
- サイズ:L 213cm x W 127cm x H 91cm
- 収納サイズ:43cm x 13cm
- 重量:990g
- 価格:77,000円
ウルトラライトギアブランドとして人気のMSRからは、カーボンリフレックス2。
魅力は総重量1kgを切る超軽量とデザイン性の高さ。そして、お値段も少し高くなります。
こちらも自立式ダブルウォールテントで、特徴はテントの両側に出口があるので、二人で使う場合も、もう一人を気にせずスムーズに出入りできる利便性の高さ。
高さが91cmと他に比べて低いのでやや狭そうな印象です。
おすすめテント4:[PaaGo WORKS(パーゴワークス)]NINJA TENT(ニンジャテント) (自立式)
- サイズ:L 250cm x W 120cm x H 105cm
- 収納サイズ:45cm x 15cm
- 重量:1,160g ※トレッキングポールは含みません。
- 価格:45,000円(税抜)
特徴的なキャンプギアを展開することで有名なPaaGoWORKSから最新テントのNINJA TENTをおすすめ。
重量も軽く、居住空間も広め。さらに特徴的なのがテントサイドをポール2本立ち上げてタープがわりのスペースが作れるフライシートの構造。
タープがなくても、このスペースでちょっとした調理や少し離れたところに焚き火を作って椅子を置いて眺めるなんて使い方ができる優れものです。
屋根があるだけで、にわか雨や日差しを避けられ、キャンプのまったり感を増幅してくれそうです。
また、室内には大型のユーティリティポケットが6つあったり、収納ケースにも一工夫あり、機能性ではNo.1のウルトラライトテントだと思います。
トレッキングポール2本追加が自転車キャンプではちと悩むところはありますが、軽量ポール2本ならぎり有りか。
個人的には2個目のテントとして検討したくなっています。
おすすめテント5:[Locus Gear(ローカスギア)]Khufu(クフ) HB(非自立式)
- サイズ:L 265cm x W 160cm x H 130cm
- 収納サイズ:L 25cm x 直径 12cm
- 重量:1,084g (シェルター390g / インナー360g / ポール150g / ペグ16本 184g)
- 価格:58,000円 ※ポールは別売
ガレージブランドのローカスギアが製作する非自立式のワンポールテント2人用。
非自立式は最近あまり見かけないですが、自立式ほどポールが多くならないため軽量です。
あと、テントらしい三角錐の綺麗なフォルムがかっこいい。
居住空間も他と比べ広くなり、コンパクトなテントですが、やや天井が高めなので、室内は閉塞感も少なくゆったり。
テントはダブルウォールの2層構造で、外側のシェルターと、蚊帳付きのインナーメッシュ。
外側のシェルターだけで超軽量テントとしても使えるし、インナーメッシュをハーフサイズのモノにすれば、テント内に土間を作れるなど汎用性の高さも人気の秘密です。
雪山登山でも使えるテントなのでオールシーズンも活躍できると機能面でも充実しています。
最終的に私はこちらのKhufu(クフ)と同じ形でもう一回り大きいKafra(カフラ)を購入しました。
おすすめテント6:[Locus Gear(ローカスギア)]Kafra(カフラ) HB(非自立式)
- サイズ:L 280cm x W 280cm x H 170cm
- 収納サイズ:L 30cm x 直径 12cm
- 重量:1,701g(シェルター650g / インナー560g / ポール307g / ペグ16本184g)
- 価格:71,800円 ※ポールは別売
Khufuより一回り大きく正方形で、高さも1.7mとテントの中で立つこともできる3〜4人用テント。
重量が700g弱ほど増え1.7kgになりますが、空間が広くなり快適性は抜群。身長180cm前後の男二人でキャンプしても全く狭さを感じませんでした。
また、ソロキャンなら、テント内に愛車を入れることも可能です。
秋口にシングルウォールにして、半分を自転車置き場、もう半分を寝床にしました。
さらに、家族3人でのファミリーキャンプでも活躍してくれています。
一石二鳥にも三鳥にもなる汎用性は大きな魅力です。
1点、フルサイズのインナーメッシュのダブルウォールテントとして使用すると、前室と呼ばれるテントの外に屋根のある空間が作れないところが弱点といえば弱点。
雨のときに前室がないと、汚れた荷物置き場やちょっと料理したりなどすることができません。
ハーフサイズのインナーテントを導入すればこの点はクリアできますし、重量面でも軽くなります。
追加購入なのでお金の面だけがマイナスですが。
自転車キャンプおすすめテント6選まとめ
自転車キャンプの装備の中で最も価格が高くなるのが「テント」
考え方としては、1泊1万円のホテルに宿泊するツーリングをする代わりにテントと考えれば、7万円でも7日間くらいで元が取れる算段ともいえます。
軽量・コンパクトで、機能性も納得できる、デザインがお気に入りのテントをしっかりケチらずに購入するのがおすすめです。
安いテントを購入するよりも、高いギアだからこそ質のいいものを選ぶことで、後々買い直しすることもなく、結果としてコスパが良くなると思います。
1万円でとりあえず始めようというのもアリですが、重いテントで快適でもないと、自転車キャンプ自体が苦痛になってしまうかもしれません。
私はやや大きめで重めのテントを買ったので、1.7kgほどでやや重量オーバーです。
しかし、シングルウォールとして使えば、1kgほどなので、自転車ソロキャンプはインナーテントを使わないという使い方もできます。
家族キャンプする時はフル装備で使い分けられるので結果的に汎用性の高いモデルを選んでよかったです。
あと寝つきが悪い方なので、快適な空間を重視したのが決め手です。
逆に、どこでも寝れる、居住性・快適性は不要という人は、ぜひウルトラライトを追求して小さめの超軽量テントを選ぶのが良いと思います。
究極のウルトラライトの寝床は「ハンモック」いつかチャレンジしたい。
「テント」はどこまで重視するか?自分の嗜好に合わせてテントの大きさを決めて、あとは軽さ・コンパクトさを追求する。
これが自転車キャンプのテント選びの第一歩だと思います。
そして、値段はケチらない!テントはお金の使いどころだと思います。
今回、紹介した自転車のおすすめテント6選まとめ
- NEMO TANI2P (自立式)
- MSR CARBON REFLEX2(自立式)
- アライテント トレックライズ1 (自立式)
- PaaGo WORKS NINJA TENT(自立式)
- Locus Gear Khufu HBキット(非自立式)
- Locus Gear Khafra HBキット(非自立式)