2/13に発売された「ロードバイクホイール徹底インプレッション2018」を早速購入しました。
最新ホイール53セットを可能な限り同一条件で乗り比べたインプレッション記事で構成されたホイール特集本です。
特にカーボンホイールのクリンチャーとアルミホイールを中心に取り上げられており、ホビーライダーの実用面で人気の高いモデルを網羅している良本だと思います。もちろんバリバリレース系の人も最新モデルをチェックする意味では役に立つでしょう。
ロードバイクホイール欲が再加熱。
ロードバイクで、劇的に走りを変えるパーツといえば、やはりホイールをあげる人も多いでしょう。
私もロードバイク本体を購入して、約3ヶ月後にはフルクラムレーシングゼロが家にありました。
フルクラムレーシングゼロに履き替えて初めてロングライドに出た時は、とにかく信号でのストップ&ゴーの立ち上がりのクイックさに感動したものです。先人たちの意見はだいたい正しいのだなと、「ホイール変えると走りが変わる。」を素人でも感じさせてくれるホイールでした。ホイールの虜になりました。
しかし、時が経つといいホイールにも慣れてしまうもの。2年後の今日、すでに次のホイールが必要に違いない!と思い込んでいます。実際は1年くらい前から思いはじめていました。高性能アルミホイールの次に買うなら、カーボンディープリムホイール。いろいろチェックして王道のBORA ONE 35クリンチャーかBORA ONE50 クリンチャーに関心が高まりました。
20万円近い買い物です。金銭面の都合がつかないまま、1年が経ち、欲も少し落ち着いていました。
そんなくすぶり続けている私のホイールへの欲望の火に油を注ぐようにこの雑誌が発売されました。
しかも、高性能アルミホイールとカーボンクリンチャーホイールの2本立て!
初心者から、中級者まで、ホイールを検討したいロードバイク乗りが気になるホイールを網羅しているので、まずはお目当てのホイールをチェックしたい、気になっているホイールを比較したい!という人にはとても参考になると思います。
ロードバイクホイール徹底インプレッション2018 内容とレビュー
本誌は、大きく3部構成になっています。
いかに目次をピックアップします。取り上げられているホイールについてもこちらで確認してみてください。
Part1 スタンダード化したカーボンクリンチャー
Part2 アルミホイールは進化続ける
Part3 永遠のチューブラーホイール
以上のホイールについて、二人のインプレッションライダーが、ロードバイク本体や機材を変えずに、ホイールだけを交換して、天候のいい日に10本ずつ試乗するというできる限り同一条件かでホイールを評価する構成です。
あくまでもインプレッション記事なので、スペックなど数値化できる情報ではなく、一般人より経験豊富なライダーによる乗り味や感覚的な評価をまとめた本なので、このパーツによる剛性の高さが、ペダリング反応をあげているなど、機材性能の説明に論理的な帰結を求める人には向いていないかもしれません。
グッドポイント
- 53本のホイールを一気にチェックできる!
- 初心者のアルミから、上級者のカーボンまで網羅
- 低予算のホイールもちゃんとインプレ
- ホイール同士の比較検討が簡単!
とにかくホイール掲載数53本は、かなり充実しています。
定価50,000円程度のSHIMANOのWH-RS500から、約60万円のLightweightマイレンシュタインクリンチャーまで、幅広く掲載されています。カンパニョーロもゾンダからボーラウルトラ50までほぼ網羅しています。
この網羅性があるので、今持っているホイールと次に欲しいホイールの情報を比較したり、ライバルホイールとの比較をしたり様々な読み方を楽しめるのもこの本の大きな魅力です。
バッドポイント
- ホイール全体写真が小さすぎる
- トップ写真が参考にならない
- 点数評価に差がなさすぎて参考にならない
トップ写真が残念
気に入ったものを買うときは「見た目」が大事だと思いますし、何よりホイールは特にロードバイク全体の印象をガラリと変えるパーツの一つでもあります。しかし、本誌ではホイールの全体写真が各ページの右上の小さい囲みにあるだけ。
各ページのアイキャッチになるトップ画像は、ホイールごとに「ハブのアップ」だったり「リムのアップ」アップだったり統一感がなく、見た目の比較がかなり難しい構成になっているのは、かなり残念でした。ホイール2つ並びのお決まりの写真にしたくなかったのかもしれませんが読者にしてみれば、それらが53本きちんと揃ってチェックできるのはかなりのメリットになったはずです。作り手のエゴがちょっと出てしまったのかなと思います。
キャプション付きのサブ写真は意味があるのですが、トップ写真だけはホイールごとに適当にとった感が否めませんでした。
まぁ、気になるホイールはネットで検索すれば過ぎ見れるのですが。。。
点数評価
インプレ記事で各ライダーの7要素ごとに100点満点の評価が出るのですが、これの差が小さい。。。
例えばシャマルウルトラとボーラウルトラ35の性能評価を比較してみると以下のようになります。
シャマルウルトラ | ボーラウルトラ35 | |
低速加速 | 70 | 70 |
高速加速 | 70 | 65 |
登坂 | 70 | 72.5 |
巡航 | 70 | 67.5 |
制動 | 65 | 80 |
快適性 | 65 | 70 |
ハンドリング | 70 | 72.5 |
シャマルウルトラはアルミ、ボーラウルトラ35はカーボンで、価格差は約3倍ほどですが、
加速や巡航性能でボーラウルトラの方が明らかに劣っていて、明確に優っているは制動力のみという評価になってしまうのですが、ホンマでっか!?
都度評価していくとブレるのはわかるのですが、全て試乗したあとに最後に整合性を出すようにチェックしたのか疑問です。。。
もしかしたら、アルミとカーボンでパートが分かれているので、パートが違うホイールはあまり比較しない方がいいかもしれませんね。
カーボンはカーボン同士、アルミはアルミ同士の点数比較をするにとどめて使いましょう。
今回のロードバイクホイール徹底インプレッション2018は、まずはその網羅性を評価しましょう。
その上で、インプレッションライダーが、各ホイールから受ける印象をできるだけ客観的に変換して、乗り味などの違いを言語化して説明している点は、全てのホイールを乗り比べることができない一般的な立場のユーザーにとって非常に価値があると思います。
ロードバイクホイール徹底インプレッション2018まとめ
本誌の発行元の洋泉社は、ロードバイク雑誌は発行しておらず、機材系やトレーニングなどの専門書を発行しています。
昨年は「ロードバイク本音のホイール論」を出版して少し話題になっていたが、その流れで初めてホイールインプレッションMOOKを発売したのかもしれません。
ロードバイクホイール徹底インプレッション2018(2/13発売)
インプレ記事に対する賛否両論はいずれにせよあると思いますが、カタログではない良さがあると私は思っています。
ホイール53セットを網羅した本が出版されたこと自体にすごく価値があると思いました。ロードバイク乗りのホイールニーズが高ければ今後も続刊されるかもしれません。個人的にはぜひ続刊してさらに網羅性を高めてほしいです。
おまけ・ロードバイク選びの参考雑誌
BiCYCLE CLUB編集のロードバイクインプレッション2018は、ロードバイク経験者が、今乗っているバイクとは違うメーカーで、何か新しいバイクと出会いたいとき、という結構レアなケースにおいて、おすすめできます。
これからロードバイクをはじめようと考えている初心者には、CYCLE SPORTS編集のロードバイクベストバイ2018の方を強くおすすめしたいと思います。
データドリブンなライダーはもちろん両方買ってしまうでしょうw