4/19の水曜日の平日真っ只中。
ベルギーのワンデーレース「フレッシュワロンヌ」が開催される。
フレッシュ=「新鮮」ではなく、このフレッシュはフランス語で「矢」という意味。
ベルギーのワロン地方を「矢」のように走り抜けるので、フレッシュ・ワロンヌと呼ばれる。
コースレイアウト
コースレイアウトをみると確かに矢のような形をしているようにも見える。
序盤は、平坦な道を突き進むのだが、ベルギーの街並みや自然の風景の中を色とりどりのロードバイクを駆るプロトンが駆け抜ける光景は、壮大で圧巻だ。
フレッシュワロンヌのクライマックスは、ラストの周回コースに入ってから立ちはだかる激坂「ユイの壁」。
最大勾配がなんと26%。平均勾配9.6%の1,300mのまさに壁。
しかも、196kmのレースの終盤に差し掛かった3周回コースでユイの壁を登るので、合計3回も登場する。
この坂をプロのロードレーサーたちが平地のようなスピードで駆け登って行く。
フレッシュワロンヌを初めて見たときは、その早さに驚愕した。これはロードバイクで坂を登ったことがある人なら共感してくれるのではないだろうか。普通に出会う坂は平均勾配6%でもなかなかキツイのだ。
そして、ゴールは「ユイの壁」を登りきった先に設定されている。
最後の周回のユイの壁は、息を飲み、手に汗を握る展開に。
選手たちが最後の力を爆発し、放たれた「矢」のようなスピードでアタックする。
ユイの壁を一番最初に駆け上った選手が、優勝の栄冠をつかむ。
目下3連覇中のアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)
昨年の覇者はアレハンドロ・バルベルデ。しかも、3連覇達成、4回目のフレッシュ・ワロンヌ勝利。
昨年も最後のユイの壁で、エティックス・クイックステップのダン・マーティン、ジュリアン・アラフィリップの2人を寄せ付けず、一人だけ違う速度域で、一気にユイの壁を駆け上った。
現役ロードレーサーの中で一番好きな選手だ。
御年37歳。にも関わらず強い。
今年も、ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャの7日間のステージレースで3勝して、山岳賞と総合優勝を達成した。
相変わらずの絶好調で、年間を通して強い。
今のところ、死角は見当たらない。優勝候補筆頭はバルベルデ。4連覇達成の期待も高い。
バルベルデに一矢報いるのは、誰だ!
そんなバルベルデの4連覇を防ぐことができるのは誰だろうと予想するのも、レース観戦の楽しみの一つ。
オフィシャルサイトの最新レポートに以下のような記事が掲載されていた。
まだ、スタートリストが出ていないので、この記事を参考にライバル選手を探って行きたい。
Alejandro Valverde, the four times winner of the event, will be approaching the week of the Ardennes classics on the outlook for a fifth title on the Flèche Wallonne. The Spaniard will be doing battle with other riders from his generation, such as Philippe Gilbert or Michael Albasini, who are also in top form coming in to a race that smiles on punchers. The “old hands” will also be competing with the emerging generation, represented in particular by Dan Martin, Romain Bardet, Michal Kwiatkowski, Esteban Chaves, Tim Wellens, Louis Meintjes, etc.
記事で赤字にしたところが、選手名だが、錚々たるメンツが挙げられている。
バルベルデに勝つためには、もちろんユイの壁をクリアする力を持った選手であることが重要だ。
レーサーのタイプとしては、いわゆる「クライマー」や「パンチャー」と呼ばれるタイプの選手に向いているコースだと考えられる。
まずは、今年という意味では、ツール・デ・フランドルで50kmの逃げ切り勝利をしたばかりのフィリップ・ジルベールの名前が挙がっている。バルベルデと同世代のライバルとしては有力だ。
しかし、やはりパワーが必要なユイの壁。若手選手に分があるのもまた事実。
そうなるとクライマーとしては、ロメン・バルデ、エステバン・チャベス、ダン・マーティンは、強力な選手だろう。
そして、パンチャーからは、クフィアトコースキー、ティム・ウィレンスあたりだろうか。アラフィリップもここに入ってくるかもしれない。
他にも有力な選手が出てくれば、状況は変わってくるだろうが、バルベルデを倒す選手となるとなかなか難しい。
絶対出てこないだろうが、フルームやコンタドールあたり。もしかしたらニーバリなどは出てきたりしないか。
もっと距離の長い坂だとまた違うが、「ユイの壁」の短い強烈な坂にもっとも強い選手は、やはりバルベルデかもしれない。
何れにしても来週が楽しみである。
しかし、なぜ、平日に放映するのだろうか。。。土日にしてほしかった。
フレッシュ・ワロンヌはJ SPORTSで放映される。
パリ〜ルーベで入会した人は多いと思うが、まだの人はこちらからどうぞ。
当日の入会でもすぐ観れるようになります。
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J SPORTSだけならBSを受信できればOKで、CSの環境は必要ないです。