ダイレクトドライブ式のローラー台Tacx Neo Smart トレーナーを購入して1ヶ月ほどが過ぎ、冬の寒さや雨の日でも楽しいロードバイク生活を送っている。
しかし、慣れてくると気になってきたのが、ローラー台で目一杯踏んでいる時などの騒音や振動。ダイレクトドライブ式は、他のタイヤドライブ式や、三本ローラー台に比べると、ローラーとタイヤの摩擦音がないため、騒音は格段に小さい。
おかげで、家のリビングに鎮座している我がローラー台は、家人から騒音のクレームは無かった。だが、ローラー台の負荷を生成するダイレクトドライブ部が回転すると微量ながら、振動が発生する。
これが、床に伝わり、壁を通してどうやら下の階の人へと伝わっていたようだ。
この振動は、家の中にいると意外と気にならないため、正月休みにちょっと夜遅くにローラー台を数日回していたら、少し経って管理会社よりやんわりとクレームが来てしまった。
「階段の上り下りの際の騒音やランニングマシーンなど夜に使用には注意してください」
身に覚えがありすぎて、大変申し訳ない思いをした。ダイレクトドライブ式ローラー台ということで油断をしすぎていたようだ。今後、近隣住民にご迷惑をかけないように、早速、このローラー台の防振(振動による騒音)の対策をすることにした。
先輩諸氏の投稿などを参考にしながら、たどり着いた結論を元にローラー台の防振対策を施したので、レポートする。
ローラー台の振動・防振対策に必要なものは?
低速と高速で生まれる振動の対策には、振動減衰力と剛性が必要
得意のネットサーフィンをしこたまして、ローラー台の防振対策の文献を拝見させていただいたが、防音ではなく、振動を対策するのはなかなか難しいようだ。
ダイレクトドライブ式では、このスプロケを通して銀色の負荷装置が回転する。
この回転により低く唸るような振動がどうしても発生してしまう。
振動は、ローラー台から床へ、床から壁へと伝わる。低速の場合は、建物と共振してしまう振動が発生したり、高速になると振動は大きくなり、非常に大きいエネルギーを生み出してしまう。ローラー台から生まれる低~高速まで幅広い速度で振動に対策を講じなければいけないのだ。
防振とは、ローラ台と床の間に「防振」するための何かをおいて、振動の伝わりを軽減することが重要となる。
結論から言えば、このローラー台から発生する振動を吸収するために有効な方法は、振動減衰させるクッションとローラー台を固定できる剛性のある素材のミックスである。
振動吸収と聞くと柔らかいものは真っ先に思いつくが、硬いもので剛性を確保するというのは一般人ではなかなか発想できない。
剛性の高い素材がないとローラー台や自転車も振動してしまうし、ブレるため効果的なトレーニングができないので、剛性も兼ね備えることが必要ということである。
このような形で実現した強者の先輩もいた。素晴らしいDIYである。
> 固定ローラー台 騒音 防音 防振 ~ エリートMAGコンセプト エラストゲル
ローラー台の振動に特化したグロータック ブルカット2
しかし、今の世の中素晴らしい人はいるもので、この振動吸収に必要な効果的アイテムを開発市販している。
しかも、ローラー台の振動という超ニッチな市場に特化しているからすごい。
それが、グロータックの「ブルカット2 」である。
ローラー台の防振の為だけに何度もトライアンドエラーを重ねて作られており、高性能のスポンジとメタル、ゴムパットと複数の素材を組み合わせた商品である。
上から見ると上部からゴムパッド>振動吸収型保護メタル>スポンジA>スポンジBと4層構造になっている。
ブルカット2はこの異なる素材を組み合わせることで、振動吸収率が72%を達成しているという。スポンジAとBもスポンジに含まれる空気の量が異なっており、低速、高速で異なる振動を吸収するための工夫がなされている。
値段も2個で2980円なのでそれほど負担にならない、コスパの高い商品だ。
自分でも同じようなものを作ろうと思えばできそうであるが、手間や完成度を考えれば市販のものを購入して時間短縮した方がお得であろう。
ローラー台の種類に合わせてブルカット2の数を揃えよう
このようにamazonでは2個セットで販売しているが、後輪を使用する固定ローラーなら足の数だけ(大体4個・2セット)。三本ローラーなら、全体を支えるため6個(3セット)を用意しよう。
Tacx Neo Smartは4つの足があるので、2セット購入した。
防音・クッション性を高める組み合わせマット
ブルカット2だけでも良いかなと考えつつも、防振はレイヤーが多い方が減衰効果が高まるだろうと考えて、追加でマットも挟むことにした。
ジムのトレーニングルームなどに引くようなクッション性の高いアイテムで、広さに合わせてジョイントすることもできるので、8枚セットを購入してみた。
厚みも1cmと吸収力が高そうである。
これで、防振対策に必要なものは揃った。
ブルカット2とジョイントマット、さらにダンボールを加えて、いよいよローラー台の下にレイヤー構造を生み出していこう。
実践!ローラー台の振動・騒音対策
1. Tacx Neo Smartローラー台の本体の下に敷くマットを作成
早速、ジョイントマットを4枚つなげてローラー台本体の下に引くマットを作成
2.マットとダンボールをトレーニングマットの下に敷き、ブルカット2を足の部分に置く
ダンボール>ジョイントマット>トレーニングマット>ブルカット2の順に重ねていく。
トレーニングマットは前から持っていたが、Tacxの純正のものを使っている。
価格をおさえるならアルインコのマットが人気。
ブルカット2は本体の足が上に乗る場所に大体合わせる。
横から見るとこの厚み、ブルカット2の厚みも3cmあり、マット1cm、ダンボールとトレーニングマットで1cm、合計で5cmほどの厚みになった。
3.前輪部分を同じ高さにするために、ジョイントマットを配置
後ろの本体だけ高くなってしまうと、ロードバイクが常に前傾姿勢になってしまうので、同じ高さに合わせるように、残っていた4枚のマットを重ねて配置する。
4.ローラー台本体をブルカット2の上、前輪もマットの上に配置
防振対策を施した場所にきっちり合わせて、ローラー台を配置する。
前輪のアジャスタも高さを合わせた位置に配置する。
5.ロードバイクをローラー台に設定する
以前に比べると前輪と後ろがこんもりと高くなりましたが、これにて防振対策完了。
トレーニングマットを上にしたので、見た目もきれいです。
ブルカット2の防振対策の効果は!?震度2から、震度0へ!
以上のブルカット2を中心にした防振対策により、どのくらい振動が減ったかについて、検証を行った。
床を触ってみて振動があるか確認してみたりしても、いまひとつ効果がわかりづらい
やはり、現代の便利なテクノロジーを用いて客観的な検証が必要でしょう。
振動対策の前後比較・検証方法
- スマホアプリの振動計を使用
- ローラー台本体のすぐ後ろの床にスマホを設置
- ケイデンス90で振動系の振れを比較
その結果が以下である。
以前・震度2
対策前は、山のギザギザがある程度見えており、上のテキストでは震度2と出ている。
揺れがやんわり続いていたかも。これでは、下の部屋は多少騒音を感じても不思議ではない。
対策後・震度0
対策後は、グラフ上の波がさらに細くなって、上のテキスト部分の赤字表記がなくなった。
つまり、震度0ということ。
まさに、効果てきめん!という結果が出た。
しかし、先ほども書いたように、自分の部屋の振動は実際あんまり感じない程度である。
ステレオのウーハーの振動が断続的に続いているような程度の振動である。
そもそも真夜中でなければそれほど気にしなくてもいい程度の振動だったのかもしれない。
それをさらに「ブルカット2」で減衰して、床に伝わる振動がほぼ0となった。
ということだ。
実感できるほどの達成感はないが、おそらくこれでクレームの心配は無くなったはずだ。
しかし、デジタルで振動0というのは心情的には達成感はある。
今後は、そもそもだが、常識的に夜10時以降のトレーニングは、やめておこうと考えている。念のため。
ローラー台の振動・防振(騒音・防音)対策のまとめ
対策すること
- 低速と高速の対策が必要
- ローラー台を固定する剛性も必要
対策に必要なもの
これを順番に重ねるだけでオッケーだ。
ジョイントマット
ブルカット2
トレーニングマット
ローラー台の導入で、平日のトレーニングはかなり充実している。
あとは、寒さに負けず、週末のライドに出かければ1年後は熟練ライダーになっているかも!
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