ルイ・ヴィトンやドン・ペリ、ウブロなどの超高級ブランドを有するLVMHグループがPINARELLO(ピナレロ)の買収を進めているというニュースに驚愕した。
まだ正式に決定したわけではないが、世界的に有名なブランドを持つグループだけに色々と妄想が膨らむニュースだ。
- ルイ・ヴィトンのサイクルウェア、サドルバッグ。
- ウブロのサイクルコンピュータ。
- ドン・ペリニヨンのサイクルシャンパンw
など、LVMHグループの超ラグジュアリーブランドたちがロードバイクの世界に進出してくるのかもしれない。
ロードバイクとルイ・ヴィトンの組み合わせのイメージなどもちろん全く持ち合わせていなかったので、想像も難しいのだが、いい意味で新しい価値観をもたらすコラボレーションが生まれると嬉しい。
一方で、悪い意味のコラボの想像もしやすく、LVのモノグラムがピナレロの本体に散りばめられ、日本の成金主義を体現し出したりしたら、笑ってしまう。
今回のニュースで「ピナレロ ルイヴィトン」検索していたら、実際にルイヴィトンのサドルを自作しているローディを発見した。
このように趣味で自作でする人は自由なのでもちろん問題ないが、ピナレロ自らこの自転車を作り始めてきたら、ピナレロのロードバイクを買いたいとは思わなくなるだろう。
ルイ・ヴィトンを有するLMVHグループとは?
数多くの著名ファッションブランドをはじめ、ワインや腕時計、ジュエリーなどを有するLMVHグループを調べてみた。
そうそうたるブランド群に脱帽である。
> ルイ・ヴィトン
このカテゴリに新たに「スポーツ」を追加するのが、LVMHグループの新しい戦略である。
その第一弾として、「PINARELLO」に白羽の矢が立ったのが今回のニュースである。
ソースが少なくまだ不明な点が多いのだが、すでに交渉段階に入っていて、買収の方向性は確定していて、売却価格の調整に入っている段階だという。安心材料としては、現在のCEO、ファウスト・ピナレロさんは、CEOを継続することは決定事項であること。急な経営方針の転換などの混乱は起こらなそうで一安心。
ピナレロの持つブランドの良いところを、LVMHグループが活用しやすくなるというような展開が考えられそうだ。
ピナレロで、ロードバイクで、LVMHグループ何を目指すのか?
今回のLVMHグループという大きなラグジュアリー企業のとった戦略から、ユーロ圏や日本などの先進国の中で、幸せの象徴が変化している流れが見て取れる。
幸せが、「モノ」から「ヒト」へシフトしている。
戦後数十年、経済成長を続けた先進国で、中流階級が拡大し続けたことが、LVMHグループのルイ・ヴィトンを含めたラグジュアリーブランド群が成長し続けられた背景にある。
モノを買うことが「贅沢」な時代が近年まで続いていたと言える。
日本のバブル時代がいわゆる贅沢の象徴的なイメージだ。経済成長で、所得の増えた人々は、高級車、高級ブランド品、腕時計、ジュエリー、一軒家などを購入した。それは、資本主義の世界で成功して幸せな人生を歩んでいることの確認作業であった。
しかし、人口減少も始まり、経済の成長スピードも鈍化している環境で、みんな「モノ」を持つことも難しくなってきているうえに、モノを持ててもそれだけでは本質的には満たされないことにも気づき始めている。
そうして、「ヒト」は自分の健康や内面に重きをおくようになってきている。
「モノ」は所有しただけで満足するものではなく、「ヒト」の生活や時間をサポートする道具であるという本質的な価値に立ち返ってきている。
LVMHグループはこの時代の流れをつかみ、ラグジュアリーな「モノ」を売るのではなく、ラグジュアリーな「ヒト」になることをサポートするスポーツを選択した。
そして、それを体現しつつあるロードバイク。その中の高級ブランド「ピナレロ」が最も自分たちのグループに適していると考えたのだ。
実際、上質なロードバイクに乗って、大自然の中を走っていると、「贅沢な時間」を過ごしていることを実感する。
ロードバイクの上では、自分の体や記憶と対話をしながら、周囲の自然へと溶け込んでいくような不思議な感覚を味わうことができるのだ。
それは、ルイ・ヴィトンのバッグやウブロの時計、ドン・ペリニヨンのシャンパンタワーでは味わうことができない「贅沢」である。
これは、ロードバイクに乗る多くのヒトは共感してくれるのではないかと思う。
モノを持つことで得られる喜びも確かにあるが、それは持続しないし、結局、数字の大きさを上げていくことでわかりやすく喜びを得ている人も多い。
一方で、ロードバイクは乗っているだけで喜びがあり、さらに新しい道に行くだけで、また新しい喜びに出会える可能性が広がる。それは、ロードバイクは、「ヒト」の持つ好奇心や成長への欲求を満たしてくれるからだと思う。
しかも健康になるし。
LVMHグループがこれを世界中に推進してくれるのであれば、これほど嬉しいことはない。
以上、あくまで私の妄想とだったらいいな話で恐縮だ。
万が一だが、「ルイ・ヴィトンとピナレロコラボでやばいっしょ」的なバブリーで軽い感じで今後ピナレロが動き出したら、失望することこのうえない。
PINARELLO(ピナレロ)に限ってそんなことはないだろうとは思うが。
ピナレロ自転車ボトル