4/11日曜日に開催されている2016年パリ〜ルーベ。
北のクラシックの最終戦ということで、1週間前から楽しみにしていたのだが、
今年から加入したスカパーBSのJ SPORTSでの放送開始時間が午後5時と、ヨーロッパの自転車レースにしては普段より4時間以上早い。
2016パリ〜ルーベは6時間フル中継
まぁ、開催時間が違うのかぐらいに思っていて、テレビをつけてびっくり。
史上初スタート前からフル中継されるようだ。
自転車レースは、200km以上も走るので、1レース6時間以上かかることもざらなので、普通、中継は半分ぐらいレースを消化して、残り3時間程度のところからいきなり始まることが多い。
しかし、今年のパリ〜ルーベは、注目度が高まっているせいなのか、257kmの総走行距離を全て生中継するようだ。
午後5時45分にプレスタートして、2kmほど走って、いよいよアクチュアルスタート。
レースを初めから最後まで見るのは初体験。
アクチュアルスタートと同時にアタック合戦が繰り広げられ、なかなか見応えがある。
何人かの小集団ができては吸収され、できては吸収されを繰り返し、結局100kmほど走って、最初の石畳区間が始まるまで逃げ集団ができることはなかった。
そして、残り150kmくらいで最初の石畳が登場した。
パリ〜ルーベといえば、石畳。
今回のパリ〜ルーべでは、27区間の石畳、総距離50kmというコースレイアウト。
レース中盤過ぎ石畳を7つほどクリアした後、発生した落車をきっかけに、
メイン集団から、エティックス・クイック・ステップス、ロット NL JUMBO、チームスカイの3チームが抜け出る。
カンチェラーラ、サガンなどの有力選手は1分ほど遅れる展開に、トレックはアシストの足が削られてしまう展開だ。
逃げ集団には、シャバネルが、最後尾で足を溜めている。
いよいよ勝負が動き始めている。
そして、いよいよ最初の難所、石畳難易度★5のアランベールに突入した。
その後の展開は、エティックスのトニーマルティンの牽きによって、メイン集団が逃げ集団に追いつく、アシスト不在のカンチェラーラ、サガンはなかなかスピードが伸びずに1分差のまま追走をつづける。
残り50kmくらい。
2つ目の5つ星の石畳モンサンペヴェルに向かう1つ前の★4つの石畳で、カンチェラーラが決断し、一気に踏み込む、サガンとジャイアントアルペシンがチェックしてスピードをあげる。50秒ほどまでタイム差を縮める。
その後、戦闘逃げ集団は、モンサンペヴェルでもスピードを緩めず、進むが、チームスカイのアシスト選手が次々に落車し、有力選手、スタナードとルークロウはなんとかクリアするが、その間に追走集団も40秒程度まで差を縮めカンチェラーラたちもモンサンペヴェルを追走する。
ここでこのレース最大のアクシデント。
カンチェラーラが単独でスリップし、落車。
テレプストラを巻き込み、自転車は故障したと思われる。ここで、カンチェラーラのパリ〜ルーベは終わる。
サガンはなんとかカンチェラーラを避けて、追走するも、アシストも協調するチームもいず、1分の差をつけられる。
メイン集団はスピードを上げ、10人くらいに絞られる。トニーマルティンも仕事を終える。
サガンとのタイム差を広げるために10人は協調しローテーションを回す。
トム・ボーネン、セップ・バンマルク、スタナード、ルーク・ロウ、ボワソン・ハーゲン、アールビーティ、ハウスラー、そして、逃げ集団からの生き残り、ヘイマンなどが残っている。
そのまま、ルークロウが、チームメートのスタナードをアシストするため、急速にスピードをあげ、最後の難所★5つ石畳ステージへ突入。
ここで、セップ・ヴァンマルクが踏み込み、独走を開始する。
石畳区間を10秒差をつけて通過する。
後続も4人に絞られた。
トム・ボーネン、スタナード、ハウスラー、ヘイマン。
10秒差はしばらくして、埋められ、5人で最後のベロドロームへ向かう。
ところどころで、アタック合戦が行われるがなかなか独走状態にはならず、残り2km。
最後のゆるい石畳区間で、ハウスラーのアタックが潰され、スタナードのアタックが潰され、トム・ボーネンのアタックが潰され、最後にヘイマンが思った以上の足でアタック、なんとか、トム・ボーネンだけ追走して、2人でベロドロームの入り口へ。セップヴァンマルクが競技場の入り口でなんとか追いつく。
そして、1周半の最後の勝負。スタナードとハウスラーも残り1周のところで、牽制している3人に追いつく。
ぐるっと回って残り300m。
トップでゆるく警戒しながら進むトム・ボーネンをかわして、ヘイマンがスプリント勝負。
セップバンマルクも後ろにつくが、足が続かない。
トム・ボーネンもすぐ後ろを追走。
残り100m。
最後のアタックをトム・ボーネンが仕掛けるが、ヘイマンの足も続く。
ゴール手前、ボーネンがヘイマンに並びかけるも、そのままヘイマンがゴール!
ノーマークの伏兵、しかも、逃げ集団の一人、ヘイマンが優勝を遂げた。
37歳のヘイマンにとっては、プロ選手2勝目。
あまりの大金星に本人もゴール直後は状況を飲み込めていないようだった。
まさかの結果に、ゴールの瞬間は鳥肌が立ちそうになる。
トム・ボーネン5度目の優勝ならず。相当惜しい。
カンチェラーラも落車後、復帰してゴールを目指していた。
遅れること7分。ベロドロームにチームメートと戻ってきて完走を果たしていた。
残念だが、ロードレースは過酷だと改めて感じる一戦だった。
スカパー J SPORTS
来週からは、春のクラシック後半戦。
アムステル・ゴールドレース平坦で過酷なスプリントの北のクラシックから、山岳ステージへと様相をガラリと変える。
Route92