「弱虫ペダル」の次に読みたい自転車漫画6選+1

最近は、「弱虫ペダル」を読んでロードバイクの世界に入ったという人が多いらしい。

アニメ化されたことで、より多くの人が「弱虫ペダル」を知る機会が増えたのも、間違い無いだろう。

huluなどのネット動画サービスでも最後まで見れるので、まだまだこれからも弱虫ペダルをきっかけにロードバイクを始める人が増えるかもしれない。しかも、自転車女子も増えているようだ。

昨年、宇都宮のジャパンカップを観戦に行ったときも、「総北高校自転車競技部」のジャージを着た女子が宇都宮餃子の正嗣を食べていた。私も食べた。美味かった。

さて、そんな「弱虫ペダル」。

まだ連載は続いていますが、新刊が出る間にも自転車マンガを楽しみたい人も多いと思う。

そんな方にオススメの自転車マンガを紹介します。

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第一部:実際にロードバイクに乗る(乗りたい)派におすすめ

2部構成で送ります。

第一部は、ロードバイクに乗る、今後乗りたい人が実際に使える知識を身につけながら、楽しめるそんな漫画からどうぞ。

おすすめ自転車漫画その1「じこまん」全3巻

おっさん自転車ライダー(初心者)におすすめ

漫画家の玉井雪雄先生の自らのロードバイク体験をマンガにした。大人の趣味道、こだわり全開で描いたエッセイ漫画。ドキュメンタリー漫画といっても良いかもしれない。

オメガドライブなどの青年誌の第一線で活躍する漫画家だけあって画力もメッセージ性も強く、そして、役に立つ漫画なので、とくに同世代の男性におすすめ。30代を過ぎて、運動不足やダイエットをきっかけにロードバイクに乗り始めたおっさんライダーは必読。

女性が読んでももちろん楽しめます。

ロードバイク初心者にありがちなヴィンディングペダルでの立ちゴケや、自転車の交通ルール事情、サイクリングロードの楽しみ方。佐渡島ロングライドの実体験などのエピソードが数ページ完結の読み切り形式でテンポよくつながるので、ロードバイクに興味を持ち始めた人にロードバイクの世界のイメージを広げてくれる。

かくいう私も、じこまんを読んで、ロードバイク購入のモチベーションを醸成して、購入に至りました。

ベテランライダーも過去を振り返るように楽しめるので、おすすめです。

おすすめ自転車漫画その2「のりりん」全11巻

乗り始めたばかりの初心者ライダーにおすすめ

イブニングで連載されていた「のりりん」

こちらは、「じこまん」とはことなり、ストーリー漫画。

主人公は、女の子ではなく、2巻の表紙の20代の社会人の丸子一典。

自転車ではなく、車好きの峠の走り屋なのだが、ひょんなキッカケで免取りになってしまい、ロードバイクに乗り始めることになる。過去の事件で自転車嫌いだったのだが、ロードバイク好きの女の子のお母さんにまんまとロードバイクに乗させれ、徐々にその楽しみを知っていくという成長ストーリー。

弱虫ペダルのようにロードレースにのめり込むというよりは、自転車通勤や、週末の集団ロングライドなどの日常の中のロードバイクがテーマなので、非常に身近なロードバイクの世界が描かれているので、初心者ライダーにおすすめ。

全く知識のない主人公がロードバイクの知識を知っていく話なので、自ずと読者もロードバイクに詳しくなれる。

交通ルールやダウンヒル、集団走行のテクニックなど初心者が知っておきたい知識を楽しみながら得ることができるので、ロードバイクに乗り始めたら、(前でも)おすすめの自転車漫画です。

おすすめ自転車漫画その3「ろんぐらいだぁす!」1〜9(連載中)

自転車女子の仲間集めにおすすめ

「ロングライド・ツーリングスポット」を知りたい脱初心者ライダーにもおすすめ

「ろんぐらいだぁず!」表紙を見ると、ちょっと痛い気もしますが、内容はどっぷり自転車漫画。

運動オンチの女子大生の主人公が、自転車と出会い、女友達とのツーリングの楽しさに目覚めていくストーリー。

一話ずつは非常に短いので、あっさり感があるが、日本各地のツーリングスポットを知るきっかけになる。

また、自転車を始めたい女子が、友達をその気にさせるために、弱虫ペダルと合わせて、読ませるという手法も有効ではないかと思う。女子ばかりのツーリング楽しそうである。

レースなどの要素は一切なく、のんびりツーリングがたのしそうだなぁというだけの、起承転結のあまりないゆるい漫画なので、面白い漫画を求める人は読まないほうが良いと思う。

また、この漫画に取り上げられたロングライドスポットをまとめたガイドブックもあるので、本気になったら、そちらを読んでみるのも良いと思う。ちらりと読みましたが、ガイドブックは字ばかりの硬派な本という仕上がりです。

私はこれを読んで、246から湘南は江ノ島までつながる境川サイクリングロードに行きたくなり、実走しました。

日本一小さい牧場の飯田牧場のジェラート屋に立ち寄ると作者のサインが飾ってあります。

2016年秋には、なんとアニメ化されました。

意外でした。

以前、おすすめ自転車漫画の記事でも紹介した「ろんぐらいだぁす...

第二部:アツいロードレースの世界を楽しみたい派におすすめ

第二部は、弱虫ペダル同様、ロードレースの世界をストーリーで楽しみたい人に向けたロードレース漫画をどうぞ。

おすすめロードレース漫画その1「シャカリキ!」ワイド版 全7巻

熱量は弱虫ペダルの10倍。ひたすらアツい天才ヒルクライマーの物語

め組の大吾や昴、カペタなど消防士やバレエ、レーサーなど題材を変えて、各分野の「天才」の世界観を描く天才

系漫画家・曽田正人先生のロードレース漫画。

奇しくも、弱虫ペダルと同じ少年チャンピオンで連載していたようだ。

その後、少年サンデーに移籍して「め組の大吾」をヒットさせたためか、ワイド版は小学館から出版されているという珍しいケース。

私も「め組の大吾」、「昴」が面白かったので、作者の過去作品のシャカリキは、その後に読んだ。

主人公は高校生の自転車バカ、坂バカの少年。

その少年が自転車の名門高校に入学して、みるみるロードレーサーとして頭角を現していく。

ライバルも魅力的で、あまり多くをしゃべらない主人公のひたむきなロードバイクへの情熱にぐんぐん引き込まれていく。

曽田正人先生の初期の作品は主人公は、気づいたら天才(もしくは努力の上での天才)というケースが多い。

普通の漫画であれば、ライバルがその世界で群を抜いた天才で、それを割と読者と近い目線の普通の主人公が友情や努力の末、天才を倒すというストーリーが多い。

主人公は身近な存在である方が、読者は応援しやすいのだが、曽田正人の主人公は、どれもとっつきにくいことが多い。シャカリキのテル、昴のスバル、カペタのカペタしかりである。め組の大吾の大吾も最初こそ、普通の消防士っぽいが、後半は、危険察知の天才すぎて、ちょっと置いていかれる。

だが、そんな天才の苦悩や心境に共感させてしまう、曽田正人先生のストーリーセンスは抜群。

シャカリキもその主人公やライバルたちの熱量がすごく、熱さにやられ、どんどんページをめくるスピードがあがっていく。弱虫ペダルとはまったく違う読書感を味わえるので古い漫画ですが、おすすめです。

おすすめロードレース漫画その2「かもめ☆チャンス」 全20巻

社会人・子持ち・バツイチの複雑な主人公がロードレーサーに

最初に紹介した「じこまん」の作者の玉井雪 雄先生のストーリー漫画。

「かもめ☆チャンス」の主人公は、なかなか悩みが多い社会人だ。

奥さんが失踪し、男手ひとつで幼い娘を育てつつ、銀行マンとしてのノルマに追われている。

そんな息苦しい日常のなかで、ひょんなことから、ロードバイクに乗り、その快感に目覚める。

最初は、巻き込まれながらも、徐々にロードレーサーとしての楽しさに目覚め、本気でロードレーサーになっていくストーリー。

ヤビツ峠のトレーニングや乗鞍ヒルクライム、群馬CSC、ツールド北海道など、日本各地のロードレースを題材にしてストーリーが進む。

ロードレースのリアルな駆け引きや戦術などについても非常に丁寧に描かれているので、今後、ツールドフランスなどの実際のロードレース観戦を楽しめるようになる知識も身につけることができる。

ストーリーの軸は「意思をつなげる力」

思考停止の状態で自分を殺し、社会人として日々の生活をルーチン化している主人公が、愛娘の純粋な言葉やロードレース仲間とのやりとりを通じて、一度は無くしていた自分を、人生を取り戻していく。ロードレースのチームを通して、一人一人がレースのなかで、エースを優勝へと導くために、意思をつなげていく力の強さを描いている。また、レース外では、父が娘への愛はもちろんだが、自分の行動を通して、意思を伝えたいと願う力、逆に娘からもらえる力についても描かれている。人生であり、人間というテーマをロードレースを題材にして力強く描かれたストーリー漫画だ。

後半は、レースが多くなるので、スポーツ漫画としても楽しめるが、登場人物一人一人のストーリーもきちんと描かれているので、群像劇としてのレース外のストーリーも楽しめる。

社会人からのライダーにはとくにおすすめの漫画。

おすすめロードレース漫画その3「茄子」 全3巻

他にも少年漫画系のロードレース漫画は「Over Drive!」や「ツール!」などあるようですが、シャカリキや弱虫ペダルは越えて来なそうなので、最後におすすめなのは、「茄子」

といっても「茄子 アンダルシアの夏」といったほうがご存知の方も多い。アニメ映画としてカンヌ映画祭にも出店された名作である。

スペインを舞台にしたグランツールの一つ「ブエルタ・ア・エスパーニャ」のロードレースを題材にした漫画。

アニメでは、ゴール直前スプリントの迫力が秀逸なのでおすすめ。

ジブリ作品の絵”を支えてきた天才アニメーター高坂希太郎の映画監督デビュー作品だそう。

「茄子」はその名の通り、茄子をテーマにした読み切り漫画集。その中の一つが、「アンダルシアの夏」で映画化されたお話だ。それ以外のも黒田硫黄という漫画家の鋭い視点の漫画が楽しめるので、おすすめであす。

番外編:おすすめ自転車漫画「ギャンブルレーサー」 全39巻

モーニングで長年にわたり連載していた自転車漫画。

と言っても題材は「競輪」

しかも主人公はギャンブル狂いで、お金のため、自分が勝つためには手段を選ばない、全く尊敬できない中年オヤジ。それでも勝てないから面白いギャグ漫画になっている。

競輪のレース展開について、いろいろ書いているのだが、深すぎて実感はなかなか湧かない。

でも、レース前後の主人公の悪戦苦闘が面白いのでおすすめする。

息抜き程度にどうぞ。

以上、ロードバイクの趣味の世界を描いた漫画や、ロードレースを描いた漫画、いろいろな漫画を紹介しました。

どれも自転車好きなら楽しめますし、自転車の楽しさをあまり知らない友達をこちら側に呼び込むツールとして、貸してあげたりしてはいかがでしょうか。

週刊少年ジャンプのオールタイムベスト100の記事も書いてみました。

リストアップがまず大変で、そこから選出と結構な手間がかかりましたが、個人的には納得のランキングです。

http://monoblog.net/weekly-jump-all-time-best100